―孫穎莎とは昨年のワールドカップで対戦して2-4で負けて以来の試合でした。
「あの時は0-3から相手が余裕を持ち過ぎて、私は完全に吹っ切れた状態で2ゲーム取ったんですけど、私も今の方が動ける範囲は絶対広くなっているし、攻撃も良くなっていると思います。でも孫選手は自分の卓球をしてくるというより、ミスをしないで、私に100%の力を出させないようにコースを突いてきたりしました。うまさがすごく光っていて、強い!と思う瞬間はあまりなかったんですよ、今回は。私自身が強くなっても、孫選手がまたうまさを磨いてきた感じでした」
―伊藤選手の嫌がることをしてきた。しっかり打たせないとか、打たせてブロックやカウンターで待つとか。伊藤選手の成長を見越してその先を行ったような。
「本当にうまいなと思いました」
―例えばバックハンドで伊藤選手のバック側へ、回転量が多くて浅いドライブを落としてくるとか、なかなかできない。
「回転量とか工夫をしてきて、ミスをさせにきた。私が(バック側へフォアで)回り込んでもちょっとサイドに来るというか、思い切り回り込んだらもっとサイドへ来るみたいな。私に大きく強く打たせないように。すごいと思います」
団体戦の日本は決勝で中国に0-3で敗れて銀メダル。銅だった前回より内容も前進した銀だった。伊藤は決勝でまた孫穎莎と対戦し、0-2から第3ゲームを取って1-3だった。
―取れたゲームは何が良かったんですか。
「結構、単発のラリーで点を取れました。私がちょっと肩の力が抜けたのもあるんですけど、サービスから3球目、5球目とかいいドライブも打てたし、同じコースでもちょっとずらしたり、いろんなボールが打てたのかなと。相手を圧倒して押していた感じがしました」
―孫穎莎が待っている伊藤選手のボールのコースや球質と、実際に来るボールがちょっとずれている感じでした。
「それはすごく感じました。ブロックで待っていても止め切れないところがあるのかなと。コースや回転を変えれば可能性はあるんだなと。団体戦では私が出し切れたので、まだ悔いがないというか。シングルスは出し切れなかった。出させてもらえなくても出し切る力がもっと必要だと思いました」
―第4ゲームの出だしがうまくいっていたら。
「思い切って行ったんですけど、相手のうまさにやられました」
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