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マグロ漁師になりたい! 若手志願者続々、ユーチューブで「3K」「都市伝説」払拭【大漁!水産部長の魚トピックス】

遠洋漁業の志願者増

 漁業の花形ともいえるマグロ漁への若手志願者が増えている。漁業団体が今春から、動画投稿サイト「ユーチューブ」で定期的に仕事内容や漁業者らを紹介。若者から「イメージが変わった」と反響を呼び、漁業と縁のなかった新人漁師が続々と誕生している。(時事通信水産部長 川本大吾)

◇ ◇ ◇

 青森県の「大間のマグロ」漁師のように小型船で大型魚を釣り上げ、一獲千金のイメージもあるマグロ漁。志願者が増えているのは、世界の海洋で長期間操業する遠洋漁業だ。近海の漁とは違って、半年以上操業を続けることが多い。

 日本に流通するマグロの大半を稼ぎ出す主力漁業だが、きつい、汚い、危険といった3K職場のイメージが強い。水産高校卒業生や身近に漁業関係者がいる人でなければ入り込みにくい職場だ。

 さらにマグロ漁は、多額の借金をつくった人など、崖っぷちの人生を打開する手段として例えられることも。「内臓を売るかマグロ船に乗るか」といった窮地の場面を示す口承「都市伝説」はいまだに健在。マグロ漁師を志願しても、両親などに反対されて諦める若者も少なくないとか。

 日本かつお・まぐろ漁業協同組合(東京)の香川謙二組合長は「船上で奴隷のような扱いを受けるようなイメージを持つ人もいるため、船員の確保が難しく、漁船を手放す漁業経営者もいる」と打ち明ける。

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