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大谷翔平、オールスターで「SHO TIME」 ベーブ・ルースもなし得なかったリアル二刀流

MVP有力候補に推す声も

 米大リーグで投打の「二刀流」として活躍しているエンゼルスの大谷翔平選手(27)が、13日(日本時間14日)にコロラド州デンバーで行われるオールスター戦に初めて出場する。ファン投票で指名打者(DH)、選手間投票では投手としても選出され、大リーグの球宴史上で初めて、投打の双方でのメンバー入りした。

 試合では、投打でプレーすることが決まっている。打席とマウンドでアピールできる機会があるため、大谷をオールスター最優秀選手(MVP)の有力候補に挙げる声も聞かれる。大リーガーの中から選りすぐりのスターが集まる球宴での「SHO TIME」。まずは試合前夜に、恒例の本塁打競争で幕を開ける。(時事通信ロサンゼルス特派員 安岡朋彦)

◇ ◇ ◇

 大リーグのオールスター戦は1933年に第1回が実施された。リーグが異なっていたため顔を合わせることのなかった強打者ベーブ・ルース(ヤンキース)と名投手カール・ハッベル(ジャイアンツ)の対戦を望んだ少年ファンが、新聞社に投書したのがきっかけと言われている。第1回にはルースも出場したが、この時は既に打者に専念しており、マウンドに上がることはなかった。

 エンゼルスのマドン監督は、ア・リーグを指揮するレイズのキャッシュ監督との話し合いで、大谷の登板が内定したと明らかにしている。メジャー4年目を迎えた大谷が、あのルースさえもなし得なかった球宴での「リアル二刀流」で、並み居るスターを差し置いて主役に躍り出る可能性は大いにある。

前例のない投打でメンバー

 前半戦の成績は、打者では両リーグトップの33本塁打。投手としては4勝1敗、防御率3.49となっている。

 DHでは、先発出場する野手を決めるファン投票(投手は対象外)で圧倒的な支持を得て選出された。その3日後に公表された選手間投票でDH部門の1位だったほか、先発投手部門で選出圏内の5位。過去に例がない投打でのメンバー入りが決まった。

「まずは楽しみたい」

 メジャー4年目での初の球宴。「もちろんチームが勝つというのが一番の目標。それに付随して成績を残せば、(球宴は)必ず通る道だと思うので、野球選手にとってはやっぱり目指すべき場所。すごく光栄なことだと思っている」

 投打でのプレーに加え、本塁打競争にも参加する。大谷は「初めてなので、まずは楽しみたい。ホームランダービーもあるので、全体的に楽しめたらと思っている」と語った。

順当なDHでの選出

 圧倒的な成績を示しているだけに、DHでの選出は順当だった。DH部門にはJ・D・マルティネス(レッドソックス)ら、いわば打撃専門の選手がそろう。居並ぶ強打者の中でも、大谷は出色の結果を残した。

 先発出場する野手を決めるファン投票では、1次投票で196万1511票を獲得し、2位のマルティネスを120万票以上も引き離してトップ。上位3選手が進む最終投票でも63%の支持を得て、文句なしで「当選」を勝ち取った。

リアル二刀流でインパクト

 今季はDHを使わずに投手の大谷が打順に入る投打同時出場、いわゆるリアル二刀流で公式戦に出場するなど、投手でもインパクトのある活躍を見せている。オールスター戦での大谷の登板を期待する声は、ファン投票の結果が出る前から上がっていた。

 ただ、その時点での投手成績は3勝。味方打線の援護に大きく左右される勝ち星は近年、投手の力を測る要素としては重視されていないとはいえ、球宴に出場する投手の中で数字が見劣りしていたことは否めなかった。

 後に発表される選手間投票で、投手として選ばれることを想定していなかったようだ。ファン投票の結果発表後、大谷はオールスター戦での登板に関して「DHでの選出なので、投げることが適切なのかどうかは正直分からない」と胸の内を明かしていた。

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