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五輪に頼らず「Wow!」を力に 女子ソフト新リーグ

「プロ野球の経験」と言うけれど

 ―「後がない」のは踏ん切りをつける原動力にも。

 「そこが外部の人を集めるところにもつながったと思いますし、自分ではプロ野球界の人間だから呼ばれたとは思っていません。04年に日本ハムが札幌へ移転して改革をするわけですが、私は野球界の人間ではないし、野球をやったこともなかった。05年からソフトバンクや楽天も入ってきて、これも野球人じゃない人たちがいろんなビジネスを始めてパが良くなった。どこから来たかでなく、外から来ると見えないものが見えたり新しい風を起こせたりということが良い方向に行くんじゃないかなと。パが変わったのは一般のビジネス界と同じ形を始めたからだと思うので」

 ―スポーツ界では違う世界の人を招く競技団体やリーグが出てきていますが、うまくいかない例も少なくありません。

 「変えること自体が強引に見えてしまう。強引にやらなくてもそう見えてしまうことがありますよね。ただ私は、その競技が培ってきた文化は大切にしたい。歴史は振り返るものでなく積み上げていくものだけれども、礎がないと積み上げていけない。その礎は先人たちが築いてくれたものですから。よく『プロ野球時代の経験を生かして』と言われますが、時代はどんどん変わっていて、プロ野球も同じことをやっていてはいけないと思う。だから経験を生かすのではなく、全く新しい世界に入って来て、自分たちでつくっていかなければいけないと。新しい企業スポーツの形をつくりたい、いや、つくるべきだと断言した方がいいでしょうね」

 ■島田 利正(しまだ・としまさ) 1955年6月16日生、東京都出身。アメリカンスクール・イン・ジャパン卒。79年、英語通訳兼渉外担当として日本ハム球団入社。2004年の球団本拠地札幌移転事業に携わり、10年取締役球団代表、16年常務取締役球団代表、18年北海道ボールパーク取締役、19年退社。この間、日本野球機構(NPB)理事、国際関係委員長なども歴任した。20年9月から日本女子ソフトボールリーグ機構常務理事、21年3月にチェアマン就任。

(2021.6.16)

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