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五輪に頼らず「Wow!」を力に 女子ソフト新リーグ

島田利正チェアマンに聞く

 日本女子ソフトボールリーグが、2022年シーズンから新リーグに生まれ変わる。「ソフトボールで社会を笑顔に」をミッションに、この競技が持つ「Wow!(ワオ)」という驚きを武器に、五輪に頼らず自走できるリーグを目指すという。元プロ野球日本ハム球団代表で、新リーグのチェアマンに就任した島田利正さんに聞いた。(時事通信社・若林哲治)

◇地域に愛される企業スポーツを

 ―就任のいきさつは。

 島田氏「去年の5月頃にお話をいただき、グランドデザインを見たら非常に共感の持てる話で、チャレンジングな内容でした。私自身、野球ビジネスに携わってきて、同じダイヤモンドスポーツでもある。同時に皆さんと強い危機感を共有できた。企業スポーツの新しい形をつくれるんじゃないかと。われわれが新しい形をつくってベンチマークになるんだという、ワクワクした気持ちになったこともあってお引き受けしました」

 ―プロリーグではないわけですね。日本のスポーツをどこがどう担うか、これまでもプロ、アマチュア、実業団、クラブなどさまざまな試行錯誤がありました。

 「企業スポーツは日本独特の文化だと思いますし、これだけの大企業がスポーツに関わっているところを変える必要はないのではないかと。20年後、30年後は分かりませんが、現在はこの文化を生かして新しい形ができるんじゃないかなと」

 ―バブル崩壊やリーマンショックを経てチームを持っている企業は、それぞれに目的を明確にし、株主や従業員の理解を得て今の形があるので、一律にビジネス化、プロ化を図ってもなかなか…。

 「何もチームが全部ビジネスをやらなくてもいいんです。各チームは今まで通りやってもらって、リーグ(運営側)がビジネスをしてリーグ全体が繁栄していけばいい。将来的にプロ化したいチームがあれば否定しませんが、現時点ではほとんどが福利厚生です。ただ、私の考える福利厚生とは、チームの価値が上がり、その企業の中で自慢できるチーム、地域でも応援してもらえるチームになることじゃないかと思うんです」

 ■日本女子ソフトボールリーグ 1968年に倉敷紡績安城、トヨタ自動車工業、塩野義製薬、広島紡績、東芝姫路、ニチボー垂井の6チームで始まり、今年が第54回。1部12、2部8、3部6チームで構成されている。昨年はコロナ禍で前半が中止されたが、今季は4、5月に前半が行われ、9月に後半が始まる。

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