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菅首相の「逆質問」ある? 「形骸化」批判の党首討論、2年ぶり開催【政界Web】

不要論払拭できるか

 官僚の関与を制限し、首相と各党党首だけで議論を展開させて審議を活性化する―。国会が英国の制度にならい、約20年前に鳴り物入りでスタートさせた党首討論だが、当初の目的を果たしているとは言い難く、形骸化が言われて久しい。そもそも「ディベート(討論)文化が根付いていない日本にはなじまない」(永田町関係者)との指摘もある。議論の質を高め、不要論を払拭(ふっしょく)することができるのか、これまでのトピックを振り返りつつ、党首討論の今後を展望する。(時事通信政治部 中司将史

開かずの間

 党首討論は1999年に成立した国会審議活性化法によって導入が決まった。英国議会の「クエスチョンタイム」(QT)をモデルとしている。小選挙区制が96年衆院選で初めて採用され、2大政党による政権交代が期待されていた時代だ。党首自ら政策論争を競い、有権者にアピールする狙いがあった。

 衆参両院の国家基本政策委員会の合同審査会として開かれる党首討論は、予算委員会のもとで試行した2回を含め、これまでに69回開催された。開催回数は2000年が最多の8回で、01年7回、02年5回など導入当初はある程度行われていたが、13年以降は年に1~2回という状況が続いた。

 第2次安倍政権下の17年は初めて通年で1度も開催されなかった。開かれても議論がかみ合わないことが多く、立憲民主党の枝野幸男代表は18年5月の党首討論後、「ほとんど歴史的意味を終えた」と言い放った。19年は1回、昨年は開催ゼロだった。

初開催はピザ問答

 「国民が大変に期待をしている、いわゆるクエスチョンタイムがきょうから始まります。生の総理の声をぜひ国民に聞いていただきたい」。初回は試行開催の99年11月10日。民主党の鳩山由紀夫代表の質問で始まった。受けて立ったのは小渕恵三首相だ。

 当時、米メディアから「冷めたピザ」などと酷評されていた小渕氏への皮肉を込め、鳩山氏は「総理は朝、何を召し上がったでしょうか。私はピザを食べてまいりました。温かい、熱いピザを」と切り出した。これに対し、小渕氏は「いつもの通り日本食を食べてきました。アメリカのオルブライト国務長官から、冷たいピザもまたおいしいと言われたことがあります」と応酬。

 白熱した議論が期待されていただけに、冒頭のピザをめぐるやりとりを傍聴していた議員は拍子抜けしたようだ。討論後、「消化不良だ」「予算委でやった方がまし」との反応が相次いだ。

 首相への質問で足をすくわれた野党党首もいた。ライブドア事件をめぐるいわゆる偽送金メール問題だ。

 06年2月、当時の前原誠司民主党代表が「さまざまな情報から(ライブドア側から自民党幹事長の親族に)資金提供があったとの確証を得ている」と小泉純一郎首相に迫った。しかし、小泉氏に求められた証拠を示すことができず追及は中途半端に。その後、前原氏はメールが「偽物」であったことを認め、代表を辞任せざるを得なくなった。

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