グアム島の地元紙グアムデイリーポストは2021年5月7日、グアム政府が検討している島外居住者への新型コロナウイルスワクチン接種プログラムの対象に外国人観光客が含まれる可能性があると報じた。グアム政府はこれまで、ワクチン接種が遅れている国に居住する米国人を受け入れ、島内でワクチン接種と休暇を楽しんでもらう「グアム・エアーV&V」プログラムの実施に向け準備を進めていたが、その対象に外国人観光客も加えるという構想だ。
「V&V」とは「ワクチン(Vaccine)と休暇(Vacation)」を意味する。新型コロナの世界的な感染拡大で壊滅的な打撃を受けたグアムの観光産業を復活させるため、グアム政府が大麻売買合法化を進めていることは前回(2021年4月2日)お伝えしたが、大麻より即効性が期待できる「ワクチン」を材料にした新型ツーリズムが経済復興の起爆剤になり得るのか注目される。
20年12月にスタートしたグアム島でのワクチン接種は、16歳以上の島民約10万人を対象に行われ、21年5月19日時点での接種率は79.3%。新規感染者数は5月18日が6人、累計感染者数8124人という状況になる。
5月13日に下りた行政命令によりグアム入島・帰島後の検疫プロトコル緩和が決まり、15日以降グアム入島・帰島後の強制隔離期間が14日間から10日間に短縮された。また米食品医薬品局(FDA)が承認済みのファイザーもしくはモデルナのワクチンを2回、あるいはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の単回ワクチンの完全接種を受けてから2週間が経過し、なおかつグアム公共衛生保健局が発行するワクチン接種事実証明書を所持している場合、政府指定施設での隔離の非対象者となるなど、グアムは観光業再開に向け、一歩ずつ前進している。
グアム政府は今年77周年を迎える7月21日のグアム解放記念日までに全島民の80%がワクチン接種を完了し、集団免疫を確立することを新たな目標として打ち出した。そのため、5月20日からはワクチン接種の対象年齢が12歳以上に引き下げられた。
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