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世界22カ国で聞いた「東京五輪」開催の可能性

「開催できない」理由は「コロナが終息していない」

 次に「開催できないだろう」と答えた多数派の人たちに、そう考えた理由を聞いてみた。

【問】「開催できない」と答えた理由はなんですか?(複数回答可、「開催できない」と答えた人の総数に対する割合)
a)開催までに新型コロナが世界的にほぼ終息するとは思えないから:95%
b)ほぼ終息している国もしていない国もあるから:45%
c)ある程度終息しているが、状況的に五輪どころではないから:23%
d)その他:32%

 この回答に対してはさまざまなコメントが寄せられた。まずは感染拡大や変異ウイルスに関してだ。

 「感染者数などを見ながらの目先の対応に追われている中、五輪のことを考える余裕もない国が多いと思う」(オーストリア在住 バレンタ愛)

 「英国、南ア、ブラジルに続き、米独自の変異ウイルスが発生したとの情報もあり、また、3月までに英国由来の変異ウイルスが米国で優勢になる可能性があるという、米疾病予防管理センター(CDC)の報告などを考えると、この先も各地での変異ウイルスの発生の可能性があり、それによる感染拡大は続くのではないかと思われ、夏までの終息は考えにくい」(米国在住 石川葉子)

 「今年上半期に各国でワクチン接種が行われるようになっても、変異ウイルスの感染を抑え込めるように思えない」(ブラジル在住 仁尾帯刀)

 一方、選手の準備や代表選考の問題を指摘する声もあった。

 「各国で国内予選を行う必要があるが、試合どころか練習すら十分にできない地域が多い」(米国在住 角谷剛)

 「すべての国や選手が以前と同様の状況で五輪に向けて準備が進んでいないと思うので、五輪が開催されても公平な記録が出るとは思われない」(ノルウェー在住 古澤恭子)

 「参加しない、できないという国やアスリートも多く、不平等さへの批判、ボイコットなどの懸念もある」(米国在住 東リカ)

 また「財政的な問題」を指摘する声もある。

 「コロナ禍で経済が逼迫(ひっぱく)し選手を派遣できない国もある。それでは不公平」(英国在住 冨久岡ナヲ)

 「貧困国のニカラグアでは、ワクチンを接種できるのは2023年になるだろうと言われている。経済力の高い隣国コスタリカでは、もう政府がワクチンを購入して国民への接種を始めているが、貧困国は自費で買うことができず、世界保健機関(WHO)などが買って寄付してくれるか、集団免疫を獲得するのを待つしかない状況にある」(ニカラグア在住 バレーラ由美子)

 さらに開催国日本の「感染対応の曖昧さ」を指摘する人もいる。

 「日本の後手後手の対応は残念ながら世界にも知られており、ワクチン対応も先進国でもっとも遅れている。たとえ日本政府が「大丈夫」とアピールしても、感染が怖くて誰も来日できないのでは?」(ペルー在住 匿名希望)

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