会員限定記事会員限定記事

「リスク選んだ」東京五輪前のイングランド移籍 なでしこ岩渕真奈インタビュー

思いのほか早く結果

 サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のエースで、昨年12月にイングランド女子スーパーリーグ、アストンビラに加入した岩渕真奈(27)がこのほど時事通信社の単独インタビューに応じた。ドイツに続く2度目の海外挑戦に懸ける思いなどを聞いた。(聞き手・時事通信ロンドン支局 長谷部良太)

◇ ◇ ◇

 ―アストンビラ入団の経緯。

 すごく熱心に声を掛けてくれてたというのが一番で、本当に必要としてくれてるなというのを感じたのと、やっぱり五輪を考えた時に、試合に出てコンディションをしっかり落としたくはなかった。五輪までの期間をしっかり自分がピッチの中心に立って試合に出たいという気持ちが強かったので、ビラに決めました。やっぱりサッカーといったらイングランドというイメージも自分の中にあったりして。

 ―早くもリーグ戦でゴールを決める活躍。

 正直に言ったら、けが明けでこっちに来て、こっちのサッカーだったり環境だったりに慣れるのに本当に時間がかかりそうだなって最初は思ったんですけど、思いのほか、スムーズに最初は結果を出せたので、そこは自分の中でも想像していたものよりは早かったかなと思います。

 ―得点面以外で、どのような役割を期待されているか。

 ビラに移籍を決めた時から監督が代わったので、自分の中で戸惑いも正直あって、難しいんですけど、入る前はFWと中盤の間のスペースでボールを受けてチャンスメークしてほしいと言われていて。今は結構守備の面でも求められたりするので、プレーの幅は想像よりやることが多くて、増えているんじゃないかなと思います。

目標は残留

 ―周りの選手とのコミュニケーションは。

 もう大丈夫で、監督はすごくたくさんしゃべって、ジョークとかも交えながらしゃべるので、たまにちょっとよく分からないなと思いながらの部分はあるんですけど、でもドイツ人が4人いて、ドイツ語で分からないことは聞いたりとか、みんな優しいので特に問題はないかなと思います。

 ―今季のチームの目標は。

 残留だと思います。1部初挑戦で若い選手が多いチームで1年目で残留するのが、クラブにとっても選手にとっても大きな意味があると思うので、そこはしっかり最低限の目標というか、絶対的に果たさないといけない目標だと思います。

日本の成長につながる

 ―長谷川唯さんとか、このオフに海外移籍を決めた選手もいる。先輩として彼女たちに期待することは。

 「先輩としてっていうのは正直あんまりないですけど、でも唯とか(田中)美南とか仲がいいのでよく電話とかしますけど、日本にはない環境だったり文化だったりを学ぶことによって、サッカー選手としても人としても大きくなれると思うので、まだまだ2人に関しては自分よりも若いので、もっともっと強いチームだったり上を目指してやっていくってことがたぶん日本のサッカーの成長につながると思うので、頑張ってほしいなと思います」

 ―自身の経験を、具体的にどう日本のサッカーに還元しようと考えているか。

 本当に個人的な意見なんですけど、やっぱりなでしこジャパンが強くならないと女子サッカーって盛り上がらないと思うんですよ。今までの経験からして。結局なでしこジャパンが戦う相手って体が強い相手だったり速い相手だったりするので、日頃からそういう相手とできるのはプラスになると思うので、なでしこジャパンの試合の時にしっかりと成長した姿を見せられたらいいなと思います。

 ―4シーズンプレーしたドイツと違いを感じる部分は。

 スピード感が全然違うというか、日本よりドイツ、ドイツよりまたさらにイングランドの方がゴールに向かうスピード感がすごいですし、個人個人の技術もそうなのかもしれないけど、迫力はこの国にきて感じることの一つかなと思います。自分だったら怖くて行けないシーンもちゅうちょなく行っちゃう選手が多いので、気持ちの強さもそうですけど、体の強さも感じます。

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ