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【詳報】森喜朗会長辞任「遅きに失したと思わない」 五輪組織委会見

後任選考委はアスリート中心で

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月12日、組織委の理事会・評議員会合同懇談会で辞任を表明した。会合後、武藤敏郎事務総長が記者会見し、新会長選任の進め方などを説明した。森氏は記者会見しなかった。やりとりは次の通り。

【冒頭説明】

 武藤事務総長「濃密な意見交換があった。議題は冒頭の森会長の辞意表明。その後、参加者からの意見。第2の議題はジェンダーイコーリティ(男女間格差の是正)の進め方について、第3は後任会長選任の進め方について。まず会長の辞意表明について、主に共通した意見としては第1に、発言は憲章に反するもので不適切だったというもの。もう一つは、会長として7年余、準備に尽力され、大変順調に進んでいるという評価を受けており、これは会長の力によるものだと。また政治家としてのスポーツ界への貢献に触れる方もいた。辞任の判断は尊重するが、我々は意思を受け継いで成功させなければならないとの意見もあった。会長発言は不適切だとした上で、構造的な問題もあって、会長退任だけでは全て解決するわけではないとの意見もあった。

 続いて組織委として社会のジェンダー平等にどう貢献すべきかについて、具体的な形として見える化することが大事だ、スピード化も大事だとの指摘があった。これまでジェンダーバランスに配慮した大会にするとの観点から進めてきて、それらを世界にもっと発信すべきだとの意見、また政府、東京都、関係自治体、ボランティアも巻き込んで取り組むべきだとの意見もあった。組織委の理事会・評議員会の女性割合が低いので増やすべきだ、副会長以上には女性がいないとの指摘もあった。他方でこの問題は時間がかかり、組織委でできることの限界があるので都や国を巻き込む必要がある。プロジェクトチームを組織委につくってはどうかとの話もあった。このような議論を踏まえて、理事会・評議員会の女性比率を高める、副会長以上に女性の登用を図る、プロジェクトチームの人選をただちに始める―こととなった。また、プロジェクトチームの検討を踏まえて国や都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック(IPC)との取り組みも進める。

 後任の選任手続きは、国民にとって透明性のあるプロセスでなければならず、選考の説明責任を果たすべきなので、選考検討委員会を設置することになった。後任を早急に決める必要がある。メンバーは理事会から。委員の数は1桁ぐらい、男女ほぼ半々とし、アスリート中心で国や都、日本オリンピック委員会(JOC)関係者にも入ってもらう。人選はこれから。委員長は御手洗冨士夫名誉会長(経団連名誉会長)にお願いして承諾をいただいた。メンバー選考は御手洗名誉会長と相談する。

 この時、川淵三郎議長(組織委評議員、日本サッカー協会相談役)が発言を求め、自分が後任だとの報道があって、不愉快な思いを持った方もいると思うのでお詫びしたい、会長になることは考えていない、求められても辞退するとの発言があった。後任候補者の選定をできるだけ早くする必要がある。大会準備に1日たりとも遅滞が生じてはいけない」

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