◇阪神大震災25年、教訓伝える地元消防
6434人が亡くなった阪神・淡路大震災から今年1月で25年。神戸市消防局が監修している生活あんぜん・あんしん情報誌「雪」は、1月号で「頑張ったKOBE~25年前の1月17日のことを少し辛いけど思い出してみるね~」と題し、特集ページを組んだ。
〔写真特集〕阪神大震災~黒煙を上げる住宅街、高速道路が倒壊~
消防が経験した痛ましい現実と震災から得られた教訓を未来に引き継ごうと、当時消防司令として現場で懸命に活動した消防局幹部が自身の経験と教訓を元に、これまでの取り組みを紹介。開けられなかった消火栓、つながらなかったホース、遠かった海の水…。消防が突き付けられた課題と対策の解説も。
「少し辛(つら)いけど、」のタイトルで、被災者から寄せられた手記が心に響く。震災当時4歳だったという筆者は「悪魔が神戸に到来した」と書いた。
ひずみで開かないドアを外から開けてくれた人のおかげで、家族4人がマンションの12階から脱出できた。悲痛な内容が続く。
「生き埋めになっている近所のおばあちゃんを父を含む男たちが助けに倒壊家屋に入っていった。この先のことはあまり思い出したくない。震災のことを考えると、少し辛い。特に被災者である人は振り返ることは辛いと思う。しかし、震災は必ずまた来る。震災から少したったあと、母から当時のことを聞いたことがある。血だらけの父の手当てを感染(防止)衣もまとわずに治療してくれた人がいたこと…」
この筆者は、震災発生時、弱った自分が人のために尽くせるかを自問自答した。そして、こう結んだ。
「少し辛いけど、被災者は教訓をどんな形であっても伝えないといけない 過去を知るのではなく、これからくる未来のために、震災を知ることはすごく大切だ」。手記の末尾に「To Heavenly Father. 少し年上の父に捧げる」と記した。
長田消防署に「震災郵便ポスト」がある。震災を経験した市民からメッセージを募り、その内容を他の参加者や震災未経験者に届けるもので、地震の記憶を共有する取り組みだ。
風化させてはならない。(T・S)
(時事通信社「地方行政」2020年2月13日号より)
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