4人から6人に拡大されたことで、どのような影響があるのか。前回大会で往路2位、総合でもチーム最高の3位に入った国学院大の前田康弘監督は「6人に増えたことで主要大学は絶対に主要選手を(補欠に登録して)隠すでしょう。29日の区間エントリーは意味がないのではないかというぐらい。絶対に戦略が見えない」と指摘する。
選手層の厚いチームが力のある選手を多数補欠に置くと、区間配置の予想は立てづらくなる。800メートル以上の高さを駆け上がる山登りの5区は走れる選手が限られてほぼ固まっているが、レースの流れを決める1~4区は各チームの思惑が交錯する重要区間。前田監督は「私のチームだと1区がどうなのか見たいが故に(主力級を)外すことはあるが、1区はみんな『当て馬』でもいいし、1~4区の全員外しもできる。上位校は4、5枚はカードを切ってくると思うので、戦略の幅は広がる。面白さはあると思うが、難しさもある」と話す。
早くも舌戦、情報の探り合い
さらに、主力を多く補欠に回しておけば、往路の結果を見て復路の戦略を練り直す際に選択肢が増える。前回総合2位で連覇を逃し、王座奪還を目指す東海大の両角速監督は「当日変更は5人なら全部隠せるが4人までなので、6人を補欠に回すような戦略をわざわざ立てないと思う」。ただし、11月の全日本大学駅伝の4区で1年生ながら区間新記録を樹立して区間1位となった石原翔太郎については「パワーのある走りをしてくれる1年生らしからぬ選手。29日は補欠に回す。本番でどこかに、というふうにしたい」と予告した。
有力校の間で早くも舌戦が展開され、情報の探り合いは始まっている。29日の区間エントリーで10区間と補欠にどのような名前が並ぶのか、例年以上に注目が集まりそうだ。(2020年12月19日掲載)
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