正月恒例の箱根駅伝で醍醐味(だいごみ)の一つとなっているのが、レース当日のメンバー変更だ。東京箱根間往復大学駅伝競走は2021年1月2、3日の第97回大会から、当日変更できる人数が従来の2日間(往路、復路)計4人から計6人に拡大される。1日に変更が可能なのは従来通り最大4人。安全な大会運営を目的としたルール改正だが、主力をいったん補欠に登録しておき、当日に投入する駆け引きが例年よりも活発に繰り広げられる可能性がある。「戦略駅伝」の色合いが濃くなりそうだ。(時事通信運動部 青木貴紀)
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箱根駅伝は12月10日に各チーム16選手を登録。同29日に1~10区の各区間と補欠6人の区間エントリーを行う。年明け1月2日の往路、3日の復路とも、その日のレース開始1時間10分前に当日変更を受け付ける。ただし、変更できるのは各区間に配置された正選手と補欠選手との入れ替えのみで、正選手同士の区間変更はできない。
正選手に体調不良や故障などアクシデントが起こった場合の対処が目的である一方で、各監督にとっては戦術面で腕の見せどころにもなる。例年、エース格の選手らを補欠に回し、他チームの区間エントリー状況を確認した上でレース戦略を立て、当日変更でカギとなる区間に投入する駆け引きが行われる。20年1月の前回大会で青学大は、1区の吉田圭太、4区の吉田祐也、10区の湯原慶吾の主力3人を当日変更で起用し、往路優勝と2年ぶりの総合優勝を果たした。
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