新たな「ライト・ロックダウン」
2020年の秋が深まるにつれ、欧州各国でコロナ感染者数が再び急増し、各国政府がその対策に躍起になっている。フランスでは厳しいロックダウン措置が取られ、イタリアではロックダウンに反対する激しいデモが起きるなど政府と市民の間の軋轢(あつれき)も増しつつある。
周辺各国と比べると少ないといわれているドイツの感染者数だが、ロベルト=コッホ研究所の発表によると、24時間以内の新規感染者数は11月7日に過去最多の2万3399人を記録。同月12日時点でも2万1866人と高い水準が続いている。今春にロックダウンを迫られた第1波の時の1日の最大新規感染者数は約6000人であったから、国内での急激な増加に警鐘を鳴らさなければならない状況にあるのは明らかである。そこで、ドイツでは「軽い」生活制限措置が11月2日から同月末までの予定で全国一斉に講じられた。
クリスマスマーケットも中止に
この11月いっぱいという措置には、クリスマスまでには状況が好転するようにとの思いが強い。ドイツでは11月末からクリスマスまで、各地で食べ物や飾りなど数々の屋台が立ち並ぶ「クリスマスマルクト(市場)」が開催される。クリスマスは、家族や親族が一堂に集まる1年で最も大切なイベントだ。そんなドイツ人の願いとは逆に、次々と、全国各地のクリスマスマルクトの開催断念が報道されている。例年200万人もの来場者でにぎわう世界でも有名なニュルンベルクでも中止となった。当初は、アルコールの禁止やマスク着用義務などの対策を講じた上での開催を目指していたミュンヘンも、中止に追い込まれている。
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