強風で広範囲に広がった山火事
過去最悪の被害だと注目を集めている米西海岸の山火事。2020年9月7日、レイバーデイ(労働者の日)の祝日にオレゴン州南部の山林で発生した山火事は、強風、乾燥、高温の影響で急激に拡大し、たった1週間で4000平方キロ以上という東京都の倍の面積を燃え尽くすに至った。少なくとも死者8人、行方不明者12人、3千超の建物が崩壊したという。
山火事発生翌日の8日には、オレゴン州のブラウン知事が、緊急火災宣言を発出。各地で停電が発生し、道路の通行止め、公園、キャンプサイトの閉鎖等が行われた。州消防局等が地元の消防当局と協力の上、山火事対応に当たるものの、火の手は衰えず、幾つもの街が壊滅的な被害を受けた。15日には、州の要請に基づきトランプ大統領が大規模災害宣言を発することとなった。
筆者は、ちょうど火災発生の2日前、オレゴン州北西部のポートランドから車で1時間ほど南のクラカマス郡モララにある友人の農場を訪ねていた。フッド山が望める澄んだ空気の屋外で気持ちの良い1日を過ごし、農場を後にしたのだが、レイバーデイ翌日には、近隣で発生した山火事でその様相は一変した。強風により火の手がどんどん迫り、友人たちはレベル3の避難命令を受けて、オレンジ色に染まった不気味な煙の中、ホテルへと緊急避難した。
その後1週間も炎の勢いは衰えず、9月14日には消防車が農場内に待機し、火の手に備えるまでになった。
その数日後、ようやくレベル2の避難勧告へとグレードダウン。幸い改築したばかりの彼らの家や露天風呂が焼失することはなかったものの、敷地内には灰やがれきが散乱し、当分は片付けに追われることになりそうである。
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