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「足」も多彩に、もっと自由に 伊藤美誠に聞く

11月に卓球W杯、実戦再開へ

 卓球の国際試合が11月に再開される見通しとなった。8カ月ぶりの実戦に伊藤美誠(スターツ)はどんな思いで臨むのか。長いコロナ禍での強化策とともに、まだ勝てずにいる陳夢(中国)のことも率直に語った日本女子のエースは、フットワークも多彩になった自分を「開放」して戦いたいという。

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 国際卓球連盟(ITTF)が11月に男女のワールドカップ(W杯)個人戦とITTFファイナルを中国で開催すると発表したのが、9月4日。伊藤へのインタビューはそれから3週間たった25日に、リモートで行った。

 準優勝した3月のカタール・オープンを最後に、試合がなくなった。「もちろん試合をしたい気持ちはあって、最初は自分の成長(を実感できない)とか、うーん、という時期もあった」というが、気持ちや考え方の切り替えが早い選手。「いつもだと、試合と試合の間にじっくりできると言っても長くて1、2週間だった」のが、長く時間を掛ける必要のある課題に取り組むチャンスと考えた。

 その一つがフットワーク。「中国人選手はすごい体勢になっても取ってくる。足とか下半身や腹筋がしっかりしているからですが、そういうところを自分も使えるように」

 足の構えや運びは戦型や体格などによっても違い、時代とともに変わってもきた。今日の高速で複雑な卓球では細かい技術が要求される。そればかりか、逆を突かれた時や相手の打球がネットインした時などのとっさの動きによって、1本を返せるかどうかで勝敗が決まることがある。

 習得の途中で大会があると慣れた使い方に戻ったりするが、この期間で徹底的に体に覚え込ませてきた。「ちょっと弾むようなステップの使い方や足の使い方も1種類、2種類じゃなくて、たくさんの使い方をできるようになったので。どんな状態でもしっかり対応できる、粘れる感じですね」

 基本の動きは忘れずに、バリエーションを広げ、アドリブもできるイメージ。サービス、レシーブをはじめドライブやスマッシュなど、打法や変化が多彩で幅広いことが伊藤の最大の武器だが、足の動きも多彩になってきたようだ。

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