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名将グアルディオラは「オーバーシンキング」? マンC、CLでまたも8強止まり

伏兵に不覚

 今季のサッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)にイングランド王者として臨んだマンチェスター・シティー(マンC)だったが、準々決勝で伏兵リヨン(フランス)の軍門に下った。これで、ペップ・グアルディオラ監督率いるチームは、欧州のエリートクラブが顔をそろえる同大会で3年連続8強止まり。悲願の欧州制覇は、またしてもお預けとなった。

◇ ◇ ◇

 1-3で落とした準々決勝は、内容も芳しくなかった。無論、褒められるべきはリヨンだ。コンパクトに守備を固めてから前線の選手のスピードを生かした堅守速攻は、シンプルだが効果的で、勝者に値した。強豪ユベントス(イタリア)を破って8強入りしただけの実力はある。

 とはいえ新型コロナウイルスの影響で4月に打ち切られた昨季フランス1部リーグでは7位にとどまったチーム。試合後、英国内の識者に共通したのは「普段通りのマンCだったら、このような番狂わせは起きなかった」という感想だ。敗戦の最大の要因は、グアルディオラ監督の「オーバーシンキング(考え過ぎ)」にあるとの意見が目立った。

失敗した奇策

 4-3-3のシステムをベースにしたパスサッカーから、高いボール占有率で敵を圧倒するのがペップ流マンCのスタイルだ。ところが、リヨン戦で指揮官が選んだのは、センターバック(CB)を3人並べた3-5-2の布陣。監督は試合後、「この大会では戦術は最重要ではない」と主張した上で、3バックを採用した理由を次のように説明した。

 「敵の攻撃陣はスピーディーで、ポゼッション時は中盤をあまり使わずに一気にゴールに襲い掛かる。逆にわれわれのCBは足が速くないから、ビルドアップの局面も含めて、2対2の状況にしたくなかった。(味方をカバーリングできる)CB3枚の方がうまく対応できると思った」

 不慣れなシステムを採用したことも驚きだったが、それ以上に注視すべきは3人のCBに加えて、ウイングバックの2人もDF、さらに中盤にはロドリとイルカイ・ギュンドアンという守備的なMFを同時に起用したことだ。

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