「困っている人」を対象にした「難民受け入れ」とは違い、「移民政策」は「自国にとって有益な人を募集する」のが基本だ。オーストラリアの場合、「投資家ビザ」は「お金をたくさんオーストラリアに投資して経済を発展させてくれる人」が対象。一般的な人でも応募できる「独立移住ビザ」の場合、「年齢」「職業」「英語力」の総合点で判断される。つまり「若く(すぐに年金受給者にはならない)」「その国が必要としている技術を持ち」「社会にすぐに適応できて、納税者になる」人を受け入れる。つまりそれは国による「経済活動」の一つで、文化の違いなどの不安があるにしても、彼らは歓迎される存在だった。
ところが、だ。コロナで十年規模の経済的な停滞が予想され、失業者も増える今、突然「招かれざる客」になってしまった移民たちをどうするのか。オーストラリアのみならずすべての移民国家が問われる命題だろう。
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