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コロナ禍に負けない! 「諦めない」銚子電鉄の今

応援してくれる人がいるから、頑張る

 かつて倒産寸前まで傾いた経営を「ぬれ煎餅」の販売によって立て直したことで知られる千葉県銚子市の銚子電気鉄道。新型コロナウイルスの影響で鉄道利用者が激減する中、再び悪化した経営状況を立て直そうと奮闘している。厳しい状況を笑いに変えて突き進む、「諦めない」鉄道会社の今をリポートする。

 銚子電鉄は、銚子駅から外川駅までの9駅、総延長6.4キロを走る超ローカル線だ。もともと観光での利用者が多い路線であるため、新型コロナウイルス感染症対策による外出自粛の影響は大きい。2019年秋に相次いで発生した台風による観光客減少の影響も残る中、竹本勝紀社長は、天災と疫病を前に無力さを痛感しているという。

 新型コロナウイルスによる影響が出始めてから資金繰りに奔走し、5月には日本政策金融公庫から6000万円、メインバンクから3000万円の融資を受けた。車両の購入やぬれ煎餅の工場設立による借り入れも残っており、借入金の総額は4億円を超えた。4億円は同社の年商の約11カ月分に相当する。「もう廃業した方がいいんじゃないかと言われてしまいそうな金額ですが、今はまだ、その時ではありません」と竹本社長は言い切る。

 銚子電鉄の状況を気に掛け、応援している人は多い。新型コロナウイルスによる利用者減少への対応策として4月、オリジナルキーホルダーなどをまとめた「お先真っ暗セット」や「銚子電鉄コロナウイルスによる廃線危機救済セット」をオンラインショップで発売したところ、即日完売となった。応援してくれる人がいるうちは、簡単に「やめます」とは言えない。

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