【地球コラム】独自のコロナ対応貫くスウェーデン

規制緩やか、北欧内で孤立

 豊かな森ときらめく湖、フィヨルド、一日中太陽が沈まない白夜─。大自然に抱かれたさわやかな北欧の夏は、緯度が高く冬が長いこの地の人々にとって、かけがえのないくつろぎの季節だ。ところが今年は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)という異例の事態に直面している。(時事通信社解説委員 杉山文彦)

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 デンマーク、ノルウェー、フィンランドは、感染拡大を受けて3月に急きょ厳しい行動制限を設けた。その結果、コロナの流行は各国とも小規模に抑えられ、6月15日から互いの国境をまたぐ移動を再開、待ち望んだ夏休みの旅行に間に合った。

 一方、人口1000万人余の北欧最大の国スウェーデンは「長期戦略」を掲げ、国民の自主性を尊重する緩やかな規制にとどめた。だが7月20日時点で累計の死者数は5619人に達し、そのほぼ9割を70歳以上の高齢者が占める。死亡率は100万人当たり556人と世界最悪レベル。他の北欧諸国と比べても飛び抜けて高い。

 結局スウェーデンは北欧諸国間の国境相互開放の対象から除外された。いわば「村八分」の扱いだ。それでもなおこの国は、ロックダウン(都市封鎖)拒否の姿勢を貫く。

 いったん感染を抑えても、封鎖を解けばいずれ「第2波」に見舞われてしまう。それなら初めから封鎖せず、ウイルスとの共存を視野に入れた上で収束させようというスウェーデンの疫学者、アンデシュ・テグネル氏の助言に基づく戦略だ。型破りの独自路線は奏功するのか。

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