会員限定記事会員限定記事

「握手なし」でも高校生はつらつ 佐賀で「インターハイ」代替大会スタート

「握手なし」で健闘たたえ合う

 新型コロナウイルスの影響により、「インターハイ」の呼称で知られる夏の全国高校総合体育大会が中止となった。全国高校体育連盟が主催し、1963年から開催されてきた高校総体の取りやめは初めて。その後、今夏に懸けてきた高校生、とりわけ3年生の努力に何とか報いようと、都道府県レベルで代替大会の開催が決まったり検討されたりしている。先陣を切るように「SAGA2020 SSP杯(カップ)佐賀県高等学校スポーツ大会」が6月13日、熱戦の火ぶたを切った。佐賀県と県教育委員会、県高体連、さらに県高校野球連盟が合同で主催し、8月2日まで31競技を行う。今夏の全国高校野球選手権大会と地方大会も中止になり、都道府県高野連による代替大会が全国に波及している中、佐賀では野球も取り込んだ県の高校総合スポーツ大会とした。

 高校総体を部活動の集大成と位置づけていた多くの3年生にとっては、厳しい練習を重ねてきた成果を発揮する最後の場となる。秋から冬にかけての大会を控えている競技もある。共通しているのは、コロナ禍に耐え「ようやく試合ができた」という充実感。それぞれの思いを抱きながら全力でプレーした選手らの姿を追った。(時事通信佐賀支局・小田京佳 福岡支社編集部・野澤健介)

◇ ◇ ◇

 前提となるのは感染を防ぐ安全対策。プレーする選手たちにも徹底されている。テニスでは高校生はもちろんトッププロに至るまで、試合が終わると両選手がネットを挟んで握手するのが通例。歩み寄って健闘をたたえ合うのは変わらないが、握手は控えるようにした。

 競技によって試合会場は各学校のグラウンド、体育館、県内のスポーツ施設などさまざま。会場が屋内の場合は、広さに応じて無観客または制限付きで入場を認めた。サッカーなど屋外のグラウンドで行う場合は立ち入り禁止のエリアを設け、それ以外からなら観戦可能。佐賀県の落合裕二教育長は「通常の高校総体だと保護者をはじめとした観客応援もある。今回は基本的には観客を入れたいという気持ちで準備したが、どうしても会場によっては入ることができない。残念なところだが、感染防止策として」と説明した。

 屋内スポーツのバスケットボールは無観客。試合に出ている選手以外はマスクを着用し、試合後はベンチをアルコールで消毒。ボールも試合の開始前と終了後に消毒した。自分のチームに対する応援は大きな声を出さず、拍手だけに抑えた。

精いっぱい成果を バスケット

 バスケットボール女子の合同チーム「伊万里商・伊万里農林・伊万里実」の3年生は、このSSP杯が3年間の集大成。バスケットは冬の全国選手権(ウインターカップ)が最後の大会になる場合もあるが、その県予選には出場しないことを決めていた。主将を務めた伊万里商の塩田泉水選手は「3年生は最後の試合だった。このメンバーと一緒に精いっぱい成果を発揮したいと思って臨んだ」。2回戦で敗れたものの、1回戦では唐津西に74―40で快勝した。

 佐賀県は5月25日にSSP杯の開催を発表。全国的に見れば、同県は新型コロナウイルスの感染被害がそれほど大きくない。とはいえ、学校が再開したのは5月中旬だった。授業が始まると、すぐに練習も開始。準備期間は1カ月足らずだ。塩田選手は「とにかく練習できなくて、練習試合もしばらくできなかった。短くて厳しかった」。練習試合は6月に入ってから1度できただけだったという。対戦相手、唐津西の古賀健大コーチも「体育館は一つの部活しか使えず、他の部はグラウンドを使ったり、昼休みにやったりしなきゃならなかった。なかなか練習もうまくできなかった」と明かす。それでも同コーチは「3年生が頑張る姿を見られてよかった」とうなずいた。

 コートの中で相手選手と激しく競り合うバスケットは、接触の少ない競技に比べるとコロナ感染リスクが高くなると言わざるを得ない。「バスケはやっぱりプレー中の距離が近いし、心配だった」と塩田選手。古賀コーチは「マスクの徹底とか、応援は拍手のみとか、徹底してみんなもちゃんとやってくれていた。歓声がなくてやりづらかった面はあるが、最善の形だとは思う」と話した。

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ