アイスホッケーの最高峰プロリーグへ、16歳の小柄な日本人フォワード(FW)が王道を歩もうとしている。北海道苫小牧市出身でU20(20歳以下)日本代表の安藤優作は、2021年に年齢資格の基準を満たす北米アイスホッケーリーグ(NHL)のドラフトで指名が有力とみられている。
今季は16~20歳の選手を対象とする米国ジュニア最高峰の米国ホッケーリーグ(USHL)で結果を出した。オハイオ州本拠のヤングスタウン・ファントムズでプレーし、新型コロナウイルスの影響でシーズンが途中で打ち切られた中でも40試合で25ポイント(8ゴール、17アシスト)をマーク。狭き門の外国人枠を勝ち取り、自身より年長の選手にもまれながら数字を残した。
老舗専門誌も「世代一」
北米の老舗アイスホッケー専門誌「ザ・ホッケー・ニュース」は近年海外への挑戦が増えた日本選手の中で「世代一の才能」と評し、有力なアイスホッケー専門サイトは21年NHLドラフトランキングでトップ50に名前を挙げた。安藤も「自分の夢」というNHLを強く意識する。
USHLでプレーした選手の95%が全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1(1部)の大学へ進学するとされ、さらにはNHLプレーヤーの30%がNCAA1部の大学出身との統計がある。ステップアップの登竜門でもあるUSHLには、NHLのスカウトが張り付いている。
安藤は今季、自身より年上で20年NHLドラフトの指名候補とされるチームメートをつぶさに見て、話も聞いた。「控え室での振る舞いや、試合中にベンチへ戻ったときに仲間とコミュニケーションをどう取っているか、さらに私生活もスカウトは見ている。ホッケーの側面だけではない」と感じたという。プレーや技術だけでない評価の尺度があることを知り、そこも念頭に置く。
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