【点描・永田町】「河井夫妻の疑惑」が時限爆弾に

議員辞職なら補選実施だが…

 「文春砲」などで暴かれた疑惑には具体的証拠や関係者の証言も多く、「議員自身に捜査の手が伸びるのは当然」(司法関係者)とされる。

 しかも、自民党本部から夫妻の政党支部に約1億5000万円という「常識外れ」(自民選対)の選挙資金の振り込みが判明したことで、自民党内からもあえて案里氏を擁立した首相や党執行部に対し、「あまりにも不公平だ」(閣僚経験者)との批判が巻き起こっている。

 そもそも、今回の広島選挙区の戦いは「極めて異常」(岸田派幹部)といわれた。

 長年、与野党が2議席を分け合う無風選挙だった同区に、党本部が2人目の候補として案里氏の擁立を決めた際、溝手氏は「あり得ない」と猛反発。選挙戦は自民の同士討ちとなり、首相や菅義偉官房長官の手厚い支援を受けた案里氏の勝利に、同党内では「首相に批判的な溝手氏がつぶされた」(幹部)との声も広がった。

 広島地検の捜査は、河井陣営関係者からの事情聴取など詰めの段階を迎え、「立件(起訴)は時間の問題」(司法関係者)とされる。

 公選法違反事件では総括責任者が起訴され、有罪が確定すれば当該議員にも連座制が適用されて失職するが、過去には書類送検の段階で議員辞職した例もある。

 立件を受けて20年3月15日までに河井夫妻がそれぞれ議員辞職すれば、4月26日に参院広島、衆院広島3区の補欠選挙が実施される。

 起訴時に辞職しなくても、選挙違反は「百日裁判」が通例なので、秋口までに有罪確定での連座制適用となれば、10月末の補選実施は避けられない。これに絡んで、政界では河井夫妻を支援した菅官房長官の「電撃辞任説」まで飛び交う状況だ。

 衆参の補選実施は政局の焦点の衆院解散時期とも絡むことに加え、不祥事による補選で敗北すれば政権を痛撃する。それだけに首相らは当面、国会攻防以上に捜査の進展に神経を尖らす日々が続きそうだ。

(時事通信社「地方行政」2020年2月17日号より)

★最新の内閣支持率はこちら。政党支持率はこちら

★【点描・永田町】バックナンバーはこちら

特集

コラム・連載

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ