通常国会序盤の与野党攻防の焦点が「桜を見る会」と「IR汚職」から「新型肺炎」に移る中、安倍晋三首相らが秘かに「政局の時限爆弾」(自民党幹部)と恐れているのが、河井克行前法相と妻の案里参院議員に対する公職選挙法違反(買収)疑惑での広島地検の捜査の行方だ。
疑惑浮上後の「空気を読まない無責任な言動」(同)などから、永田町やメディアで“広島のバカップル”と呼ばれている河井夫妻だが、司法当局が選挙違反事件として立件すれば、夫婦そろって議員辞職も含めた出処進退が厳しく問われることになるからだ。
河井案里氏は2019年7月の参院選で、広島選挙区(定数2)から自民党2人目の公認候補として出馬、事前の予想を覆して自民岸田派重鎮の溝手顕正元参院議員会長を抑えて当選、溝手氏は落選した。
ただ、地元では派手な選挙活動が話題となり、19年10月末に週刊文春が河井陣営の公選法違反疑惑を大々的に取り上げ、実質的な選挙司令塔とされた夫の河井氏が法相辞任に追い込まれた。
河井氏を初入閣させた首相は「任命責任」は認める一方、疑惑については「政治家としての説明責任は本人にある」との一般論で追及をかわした。
その一方で、河井夫妻は疑惑発覚直後に「違反については与り知らない」などと関与を否定しただけで、その後は体調不良などを理由に雲隠れを続けた。
年明けに広島地検が案里氏の事務所などを家宅捜索した際、ようやく記者団の前に姿を見せたが、「捜査に支障があるので、具体的な説明はできない」と、お定まりのコメントで説明責任は果たさず、国会で野党から追及された首相も「捜査中」を理由に言及を避け続けた。
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