飯島小の尾上伸一校長(60)は「支援級を中心とした学校経営」を掲げる。
飯島小は、ごく普通の地域の公立小学校だ。支援教育の研究に力を入れる指定校という訳でもない。だからこそ、抱える課題は全国の教育現場に共通する。
養護学校が義務教育化されたのは1979年。法令により重度・重複の障害児も養護学校に入学できるようになった一方、障害児と健常児が分離され、普通の学校に障害児の姿は見えにくくなった。それが差別の温床になった、との指摘もある。
尾上校長は養護学校義務化の3年後、82年に横浜市に教員として採用された。初任校は養護学校だった。
「教育の原点」である特別支援教育を身をもって学んだ尾上校長は以降、小学校で、インクルーシブ教育を意識した実践を積み重ねることになる。
文部科学省によると、インクルーシブ教育とは「障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み」だ。尾上校長は2013年度から飯島小の校長を務め、「インクルーシブな学校作り」は実を結びつつある。
◇ ◇
「特別な場」で教育を行う特殊教育が、一人一人のニーズに応じた適切な指導と必要な支援を行う「特別支援教育」に転換した07年度から、10年余りがたつ。
インクルーシブ教育はどこまで進んだのか。学校に何ができ、できないのか。
支援級をめぐる日常を、飯島小を舞台に随時報告する。記事中、子どもたちと保護者の名前は仮名とする。
〔横浜総局・田幡 秀之〕
(時事通信社「内外教育」2020年1月14日号より)
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