陸上の長距離界を席巻している米ナイキ社の「厚底シューズ」に端を発し、世界陸連が1月末、シューズに関する新規定を発表した。その中で、4カ月以上の市販期間を必要とするルールが4月29日までに発売された製品には適用されず、今夏の東京五輪でも使用が認められることが、このほど明らかになった。日本陸連が世界陸連に確認し、正式な回答を得た。各スポーツ用品メーカーは東京五輪に向けて開発中の新製品を、4月29日までに発売する方向で時期の前倒しを検討している。(時事通信運動部 青木貴紀)
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新規定をめぐっては当初、「4月30日以降の競技会で使用する靴は全て4カ月以上の市販期間が必要」との解釈があり、トップ選手らが先駆けて履いている新型モデルを使用できなくなる可能性が懸念されていた。新製品は世界陸連に仕様を報告する必要があるが、4月29日までに発売されれば市販期間を問わず、4月30日以降も使用できる。
短距離の男子100メートルで日本歴代2位の9秒98を持つ桐生祥秀(日本生命)は、靴底に金属製のピンがないアシックス社の「次世代短距離シューズ」を昨夏から試合で使用している。現時点で市販されていないが、アシックスの広報担当者は「ルールにのっとった対応を進めている」。当初は夏頃を予定していたが、4月29日までの発売を目指している。
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