―ウイグル人にとってトルコは滞在しやすい場所ですか。
ウイグル人がトルコに来るのには、いくつか理由があると思います。中央アジアのテュルク系民族は、トルコの滞在許可を取得しやすいです。これはトルコ政府として、テュルク系民族を支援する方策なのでしょう。言語や文化などあらゆる面でトルコはウイグルに近く、例えば他の欧州の国々と比べると、ウイグル人はトルコでの生活により容易になじめるという面があるでしょう。
イスタンブールなどトルコに滞在しているウイグル人はたくさんいます。親戚の助けを借り、一緒にイスタンブールで暮らそうとするウイグル人もたくさんいると思います。そして、苦しい状況に陥ったウイグル人に対し、ウイグル・コミュニティーや民間団体から支援の手が差し伸べられます。
あと、トルコはほかの国と違い、ウイグル人の身柄を中国に引き渡したことがないと思います。これも主な理由の一つではないでしょうか。
―あなた自身は将来についてどう考えていますか。
実はトルコを離れるつもりでした。イスタンブールで大学を卒業した後、ロンドンの修士課程や米国の博士課程に進もうと思っていました。いくつかの大学からオファーを受け、いくらか奨学金なども得ましたが、同時に父の拘留の話が出てきました。私の状況は一変しました。
母と妹、おじの娘3人の世話をしなければならず、トルコに滞在し続けることにしました。現在、ある大学で国際関係・政治学部の博士課程に通っています。大学での研究を続けたいです。多分博士課程の後、ポスドクのためにどこかに行き、そこで暮らし始めるかもしれません。ただ、今後少なくとも2年、あるいは4年はトルコにいると思います。
その後のことは分かりません。中国のパスポートの有効期限も切れます。総領事館では通常、ウイグル人はパスポートの発給を受けることができません。パスポートの有効期限が切れたら、どこにも行けなくなり、非常に困ります。トルコに滞在許可があるものの、パスポートはないという状態になります。だから、将来については考えられないです。私にとって将来があるかどうかも分からないということです。
いつでも人生で大きな変更が生じる可能性があります。同じ質問を例えば2年前に聞かれたら、完全に違う将来プランを説明していたでしょう。素晴らしいキャリアや勉強プラン、それとも、バックパッカーとしての旅行プランについて話していたと思います。今の状態は全く違います。だから、将来があるかどうか分からず、行き詰まった状況にあります。
―初めてイスタンブールに来たのはいつでしたか。
私が初めてイスタンブールに来たのは2013年でした。大学で1年間トルコ語を学んでから、4年間学士課程に通いました。経済学部でした。ずっと貿易に興味があったのです。中国に帰って、(家族の)事業をさらに拡大していこうと考えていました。現在、別の大学で国際関係・政治学部の博士課程に通っています。
母と妹といとこたちは2015年に来ました。彼女たちはヒジャブを被っていたため、向こうの高校でいろいろ困難なことがありました。すべてのことが中国式に代わっていきました。父とおじは、彼女たちがトルコでなら自由にヒジャブを被って勉強できると考え、「わたしたちは君を経済的に支える。君が彼女たちを支えて」と私に伝え、彼女たちをトルコに送りました。当時はパスポートを取得することがとても簡単でした。われわれの家族は、彼女たちに自由で、プロパガンダのない教育を受けさせるよう努力しました。
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