【地球コラム】父親が「再教育キャンプ」収容? トルコ在住ウイグル人に衝撃

父は「テロリストでない」

 ―中国政府は「再教育キャンプ」の目的について、テロを防ぐことだと説明しています。お父さんが何らかの形でテロとかかわりがあったと思いますか。

 テロとは何か、定義する必要があるでしょう。宗教的信念の実践や、自分の子供によりよい教育のために留学を促すこと、海外で仕事をすることなどが「テロ」と定義されるなら、父は「テロリスト」かもしれません。ただ、彼が何か極端な思想を持っていたとか、私には考えられません。いつも私や妹の勉学を支援し、心を広く開いて人々に接する非常にフレンドリーな人でした。漢民族の友人もたくさんいました。拘留される前に、父の中国人の親友が亡くなり、彼はそれをとても悲しんでいて、葬式にも参列しました。ただ、テロを国際的に定義されているようなものと考えるなら、私の父は絶対にテロリストではないです。

 ―お父さんを収容施設から救う方法があると思いますか。この状況をどのように解決すべきですか。

 海外に滞在中のウイグル人は、いろいろな方法で家族をいわゆる強制収容所や再教育キャンプから救おうとしています。例えば「家族と連絡を取れない」と訴えるビデオを作成し、インターネット上に投稿して発信する人もいます。国連や国際機関に家族の状況について訴える人もいます。地元政府との直談判に乗り出し、自分の父や母がどういうことになったのか聞く人もいます。

 私は以前、警察署に連絡し、父に関する情報を求めたのですが、情報提供を拒否されました。ビデオ投稿や、国際機関への申し立てという手段を取ったことがありません。そういうことをすれば、かえって父の状況が悪くなると恐れているからです。他の学生や活動家はビデオでの発信や国際機関に助けを求めるという方法を促しています。ただ、こうした方法で父が1年か2年は救われるかもしれないものの、その後再び連絡がなくなり、私も中国に帰れなくなるでしょう。

 ただ、果たして私は十分努力しているのかと自問し、自分を責めることもあります。今まで父のために特別の行動を取ったことがなく、周りの人に状況を伝えているだけで、父の状況を公にしたことはありません。このまま父が命を落としたり、苦しい状況に置かれたりするなら、私は自分を責めることになるでしょう。

 ―キャンプから出て、トルコに逃れた人もいると聞いています。この人たちはどのような方法で脱出できたのですか。

 これは脱獄のような非合法的な方法を使ったということではなく、外交努力によるものです。逃れられた人々は、カザフスタンやトルコなどの国籍を持っています。こうした国々が中国政府に彼らを解放するよう要求すれば、彼らは解放されることもあります。または、カザフスタンなどに知り合いや親戚がいて、そのパスポートを取得して、逃れることができた人もいます。他国の国籍を持たない人にとってのがれることはほぼ無理です。

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