【地球コラム】22歳の元日本人女性軍曹が兵役後に考えたこと

最初は「女の子で大丈夫?」のテスト感覚

 ―昨年5月のインタビューで、兵役延長を要請されているという話をしていましたが。

 結局、延長はしませんでした。軍内部の人事上の都合など、いろいろ理由はあるのですが、延長前の最後の日までやり切ればいいと思いました。次のステップに進みたいという気持ちが強かったです。サイコメトリックの試験は年4回に限られていて、4月を逃すと、次は夏になってしまいます。民間人としての生活を早く始めたかったのです。

 実はIDカードにハサミを入れる当日にも「もう少しどう?」と上官から声を掛けられました。でも、実は日本に行く航空券をずいぶん前に手配していて、「私には(日本行きの)フライトが」と、口実にしてました。

 ―兵役はやはり大変だった、ということですか。

 大変だったのは最初です。男性が配属されていた部隊に女性である自分が配属され、実際のところ、周囲は来てほしくなかったのだと思います。常に「女の子で大丈夫なのか」とテストされているような感覚でした。山中での早朝からの行軍だったのですが、異様に暑い日で、多くの兵士たちが倒れてしまう事態に直面し、私も治療を施しました。

 私は医療要員として医薬品のバッグを抱えていて、上官から「荷物は重いだろうから持ってやる」と言われたのですが、断固拒否しました。医薬品が手元になければ、治療を施す役目を果たせなくなるからです。手当てを施し、医療用品が入ったバッグを担ぎながら、最後までやり遂げることができました。

 この経験を通じ、私も「できる」と確信し、周りに認めてもらうこともできたと思っています。その後、すべての活動や訓練に全力を挙げて取り組んだと自負しています。

 ―兵役の意義について、どう考えますか。

 兵役は、市民と国家を結びつける機会です。そのこと自体が、まさに国家に奉仕するということなのですから。また、国内の異なる地域や社会から来た人が一つになるので、これまで出会ったことのない人と面識を得る機会になります。私も、軍がなければ会えなかっただろうな、という人に会うことができました。

 あと、外からはなかなか見えないのですが、中に入ると、イスラエル軍には兵士の行動や活動に関する規範がしっかりあり、「人道的な軍隊」であるという認識を持ちました。

 (日本に兵役がないことについて、)そういう状況を想像できないです。例えば、誰か緊急医療が必要な人が急に現れた場合、すぐに対処できるのでしょうか。

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