中東初のサッカーW杯まであと3年 カタール現地リポート

好評だったファンゾーン

 クラブW杯の期間中は、ファンゾーンがドーハ近郊のゴルフ場に設けられた。昨年、日本で開催されたラグビーW杯では、大型ビジョンでの試合観戦やラグビーの体験ができるファンゾーンに過去最多の100万人以上が入場。今や競技に関わらず、世界中から集まるファンにとっては欠かせない場所となっている。

 ドーハのファンゾーンへは地下鉄レッドラインのアルカサル駅から無料のシャトルバスが運行され、ファンゾーンから直接スタジアムへ向かうバスも配備。中心地からは離れているため、タクシー乗り場にも多くのタクシーを待機させ、サポーターには移動のストレスを与えない配慮が見られた。記者がファンゾーンを訪れたのは、リバプールとフラメンゴの決勝を2日後に控えた12月19日。試合開催のない日だったが、午後7時半ごろに到着すると、想像以上ににぎわいを見せていた。

 緑の芝生の上に設置されたステージでは生演奏の音楽ライブが休みなく続き、リバプールやフラメンゴのユニホームに身を包んだサポーターや観光客であふれていた。フードコートでは、多国籍の移民が集まるカタールらしくハンバーガーやピザに加えメキシコ料理にクレープにアイスといったデザート類まで、幅広いジャンルの料理を手頃な値段で楽しむことができた。

 そして何よりファンを引きつけたのは、ビールが提供されていたからだろう。イスラム教のカタールでは、公共の場での飲酒は禁じられている。ハマド国際空港でも、国外からの持ち込みをチェックする厳しい体制が敷かれている。カタール国内で飲酒できるのは、四つ星以上のホテルにあるレストランやバーに限られ、そのほとんどが午前2時までの提供という。ホテルで提供されるアルコールは割高で、60リヤル(約1800円)の生ビール(約550ml)が安い部類に入り、ワインやウイスキーとなるとそれ以上で、一般の旅行客には手が出にくい。ところが、ファンゾーンに行けば、缶ビールが20レアル(約600円)、生ビールが25レアル(約750円)とより財布に優しい価格で楽しめた。

 多くのサポーターは試合前にファンゾーンでビールを飲んで盛り上がった後に、シャトルバスでスタジアムへ向かっていたと聞いた。今回のクラブW杯では残念ながらスタジアムでのアルコール販売はなかったが、3年後のW杯に向けて組織委は国際サッカー連盟(FIFA)と前向きに協議を進めていく方針という。欧州や南米のサポーターは試合前から試合後まで酒を酌み交わし語らい合うのが長らく続く慣習だ。中東で初めて開かれるカタールのW杯で、異国の文化をどう受け入れていくのかは世界も注視する課題になるだろう。

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