【地球コラム】対中国で競争と協調の道探れ~識者に問う日中外交(3)~

「中国イメージ悪化は日本にも責任」

 Q、仮に文書をつくるとしたらですが、日本としては両国間の安全保障問題について記述することで、中国の動きをけん制したいのでは。

 高原氏 けん制という言葉が適当かどうかわかりませんが、それこそ習主席も言っている「初心を忘れず」ということを確認するのが大事ではないでしょうか。

 Q、習訪日が決まった後も尖閣周辺への侵入がむしろ増えています。

 高原氏 本当に中国は日本と仲良くしたいのか、と思う人がいても不思議ではありません。やめないと日本の対中イメージはよくなりません。昨年11月下旬に川口順子元外相やキッシンジャー米元国務長官らが北京で習主席と会った時、主席は「中国人の日本に対するイメージ改善にはわれわれが努力した。日本人の中国に対するイメージについては、われわれにも問題があるかもしれないが、主な責任は日本側にある。日本はもっと努力しなければ」と言ったそうです。私はこれを聞いてショックを受けました。

 なぜ、日本で中国が嫌われるのか、全く分かっていない。その理由を正しく理解してほしい。恐らく、周囲の人々が悪いことは伝えず、いいことばかり伝えているのでしょう。

 Q、2008年に合意した東シナ海のガス田に関する日中の共同開発については、首脳会談に向けての課題になりますか。

 高原氏 これは一つの焦点です。これを条約化できるかどうか。排他的経済水域の境界線については、日中が主張する原則が異なるためにそれを画定するのは難しい。そこで、この点は棚上げして共同開発しましょうという、建設的な話なのです。中間線の日本側か中国側か、どちらでガスや石油が出るかによって、反対論も出るでしょう。それでも日中がそれぞれ出資して開発し、両方が得すればいいのではないでしょうか。

 Q、加えて2014年の日中合意では、「四つの基本文書の諸原則と精神を遵守」とあり、尖閣諸島などの問題について対話と協議で情勢の悪化を防ぐなどとしていました。新文書にはこの辺を落とし込んでいくのではないでしょうか。

 高原氏 どこまで具体的に書くのでしょうかね。私の印象では、中国側は大きな話がしたい、日本側は具体的な話がしたい。それが明確に表れたのが昨年12月の安倍晋三首相の訪中でした。首相が香港など具体的なことを指摘したのに対し、習主席の方はグローバルな状況下での日中関係などと言っていました。

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