プロ野球オリックスの山本由伸投手(21)が飛躍のシーズンを終えた。プロ3年目の2019年は中継ぎから先発に転向。故障で一時離脱しながらも最終戦で規定投球回数に到達し、両リーグただ一人の防御率1点台(1.95)で最優秀防御率のタイトルを獲得した。日本代表「侍ジャパン」にも選ばれ、11月のプレミア12では世界一に貢献。20年は背番号が「43」から「18」に変わり、球界を代表する右腕へとさらなる成長が期待されている。(時事通信大阪支社編集部 飯泉満里奈)
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◇倍々ゲームで昇給
階段を駆け上がるような躍進ぶりだ。宮崎・都城高からドラフト4位で17年にオリックス入団。高卒ルーキーながら1軍で5試合に登板し、プロ初勝利も挙げた。2年目はセットアッパーとして揺るぎのない戦力に。150㌔超の快速球と切れ味鋭いカットボールがさえ渡り、54試合で4勝2敗1セーブ、32ホールドをマークした。3年目の推定年俸は800万円から5倍の4000万円にはね上がった。そして19年オフの契約更改交渉で、4年目となる来季の推定年俸は倍以上の9000万円。この2年で倍々ゲームのような大幅昇給となった
◇両輪抜け先発の柱に
1年前の18年オフ、大きな転機を迎えた。長くオリックスの先発陣を支えてきた金子千尋(現登録名は弌大)投手が日本ハム、西勇輝投手が阪神に移籍。両輪が抜けた先発への配置転換に、思いを強くした。
先発を目指し、19年の春季キャンプからきっちりと調整を重ねた。自身のシーズン初登板は4月3日のソフトバンク戦。八回1死まで無安打に抑え、0―0のまま9回を投げて1安打無失点で降板。試合は延長十二回、0―0で引き分けて白星が付かなかったものの、いきなり快投を見せた。
その後もローテーションの一角としてチームを支えたが、8月に左脇腹を痛めて約1カ月の戦線離脱。規定投球回クリアに暗雲が漂い始めた。それでも、「トレーナーさんら周りの方々が、一日でも早く復帰できるように全力を尽くしてくれた。恩返しをしたいと思った」と諦めなかった。
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