歴史的な令和元年が、間もなく終わる。
毎年恒例の今年の漢字は「令」で、流行語大賞は「ワンチーム」。新元号と史上初の日本チームのラグビーワールドカップ(W杯)ベスト8がそれぞれの決め手で、いずれも後世に語り継がれることは間違いない。
【コメントライナー】「桜を見る会」から見える安倍政権のきしみ
しかし、政界に限れば、漢字も流行語も「桜」という声があふれている。そして、年末を迎える永田町では、この季節外れの満開となった「桜」がいつ散るのかが、年明け以降の政局展開とも絡んで最大の見どころとなっている。
「桜」とは、毎年恒例の首相主催の「桜を見る会」(新宿御苑)を指す。
長年にわたり、時の首相が各国大公使や国内各界の功労・功績者などを招いて歓談してきた会合だが、第2次安倍政権発足以降、政府与党関係の個人的招待者が激増し、特に、安倍晋三首相の地元支援者の招待が際立っていたことで、私物化疑惑が一気に政治スキャンダル化した。
立憲民主など主要野党は「1強打倒のチャンス」(共産党幹部)と勢いづき、臨時国会後半は“桜疑惑”追及一色となった。
首相自らがまいた種だけに、官邸サイドも防戦一方となったが、野党側も決定的証拠は持たず、政府与党が最優先案件とした日米新貿易協定の成立にも抵抗しなかったため、臨時国会は延長せずに閉幕となり、政府与党幹部からは「これで桜も終わり」と、安堵の声が出た。
当の首相は、12月9日の国会閉幕後の記者会見で「(桜を見る会の)招待者の基準があいまいで招待者数が膨れ上がってしまった。大いに反省している」と陳謝する一方、疑惑解明のカギとなる招待者名簿については「手続き通りに廃棄したと聞いている」との説明にとどめた。
さらに、批判を受けた桜を見る会の「前夜祭」と全く同じホテルの宴会場で開催された13日午後の首相講演では、「国会では政策論争以外に審議時間が割かれていることを、国民に大変申し訳なく思っている」と暗に野党の対応を牽制するなど、幕引きへの自信もにじませた。
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