日本の熱海にも少し似たロシア南部の保養地ソチ。10月22日、プーチン大統領が大統領別邸で、外国首脳とシリア内戦をめぐって長時間会談した。相手はこわもてのエルドアン・トルコ大統領。エルドアン氏にとっては、当初予定していた天皇陛下の「即位礼正殿の儀」参列を急きょ取りやめ、行き先をソチに変更した緊急会談だった。
両首脳は、トルコが敵視するクルド人勢力の扱いに関する覚書に合意した。中身をひもとくと、米軍が撤収したシリア北部で、両国が支配地域を拡大し合う様子が浮かび上がる。特にプーチン政権下のロシアは、大国の自信を取り戻したかのようだ。その緻密で大胆な対シリア戦略は、かつての超大国「ソ連」の振る舞いさえ思わせる。(時事通信社外信部記者・前モスクワ特派員 平岩貴比古)
「6時間20分」。これは国営ロシア通信が計算した会談の長さだ。内容は経済を含む2国間関係全般に及んだとはいえ、主題はもちろんトルコによるシリア北部への越境軍事作戦であり、1対1(テタテ)形式も交えた「秘密会談」の様相を帯びた。
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