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【地球コラム】潮目変わった? トランプ政権最大の危機「ウクライナ疑惑」の行方

援助と引き換えに政敵の調査要請か

 発端は、米情報部門の職員が監察官に宛てた8月12日付の内部告発だった。公表された告発文書によると、その職員は複数の政権高官から聞いた話として、トランプ氏が「国内の主要な政敵の一人について調査するよう、外国に圧力をかけた」と指摘。そうした圧力が「米国の安全保障を危険にさらし、外国による選挙介入を阻止する取り組みを台無しにしかねない」と訴えた。

 具体的にトランプ氏が調査を求めたのは、バイデン氏の次男ハンター・バイデン氏とウクライナの「不適切な関係」だ。ウクライナの検察当局は14年、ハンター氏が役員を務めていた同国の民間ガス会社ブリスマについて、マネーロンダリング(資金洗浄)や脱税の容疑で捜査に着手。当時、オバマ政権の副大統領だったバイデン氏は、検事総長を解任するようウクライナ政府に働き掛けていた。

 バイデン氏は、検事総長解任を求めたのは「汚職への取り組みが不十分だったから」と説明したが、トランプ氏側は「息子をかばおうとした疑いがある」と主張。トランプ氏の個人弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長が調査を進めていた。ホワイトハウスが公表した電話会談記録でも、トランプ氏はジュリアーニ氏と会うようゼレンスキー氏に促している。

 これだけなら汚職対策を要請しただけで済むかもしれないが、米政府は電話会談の約1週間前、約4億ドル(約430億円)のウクライナ向け軍事援助を凍結していた。公表された会談記録を見る限り援助に関する言及はないが、凍結解除と引き換えにバイデン氏の調査を求めたとすれば、明確な「圧力」と認識され得る。

 内部告発した職員は、電話会談の詳細な記録がホワイトハウスの弁護士の指示で、ごく少数の高官だけがアクセスできるコンピューターシステムに移されたことも暴露。「当局者が会話の重大性を理解していたことを示すものだ」と指摘した。外部への漏えいを防ぐため、ホワイトハウスが組織ぐるみで隠蔽(いんぺい)を図った可能性も指摘されている。

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