2020年東京五輪代表選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が2019年9月15日、明治神宮外苑発着の42.195キロで行われる。4年に一度、国民的関心事とも言えるマラソン代表枠男女各3人のうち、まず2人ずつが決まる。大一番に挑むのは、17年夏以降のレースで資格を得た男子30人、女子10人。発着点を除き東京五輪と同じコースで、五輪切符をつかむ上位2人へ、しのぎを削る。代表争いへの期待感や注目の選手について、00年シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(47)に聞いた。(時事通信運動部 山下昭人)
◇ ◇ ◇
―男子のレースをどう予想しているか。
けん制し合うと言いますか、スローペースで入っていくレースにはなると思うんですよね。普通だったら設楽(悠太、ホンダ)君とか井上(大仁、MHPS)君も割と積極的にいくタイプの選手。勝負ということになった時には、前半は少し様子見をするかなと思います。
―持ちタイムが上の選手が中心か。
もちろんみんなに可能性はあるんですけれども、持ちタイムがあると自分の展開に持っていきやすいと言いますか、手段がいくつもあります。(周囲が)タイムを持っている選手の動向をすごく気にする。誰が集団の中で主導権を握っているかということにつながると思うんですね。先頭を引っ張っている人が主導権を握っているわけではない。(現役時代の)私も後ろにいて、これは私のレースだなと雰囲気から感じることができたので、ものすごく大きいメリットだとは思います。
例えば女子であれば2時間20分を持っていれば25分、26分の戦いでも自由自在に自分の走りができる。でも24分の選手が24、25分の戦いをしようと思ったら全力でとにかくいかないといけない。MGCや五輪ではプレッシャーや雰囲気で削られていきます。100%出せる人なんて少ないと思うんですよね。80%の力でどれだけ戦えるかというのもポイントになってくると思うんですけど、そういった意味ではタイムを持っている人の方が精神的にものすごく有利になってくると思っています。
―男子でその立場の選手は。
大迫(傑、ナイキ)君、設楽君じゃないですか。誰もが気にする存在になると思います。みんなよりタイムが1分いいというのは、アドバンテージがすごくあると思います。
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