東京五輪開幕まで約1年。平和の祭典を主催する国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(65)が時事通信社の電話インタビューに応じ、五輪への期待を述べた。招致に絡む不正疑惑なども指摘される中、バッハ会長は東京五輪の準備状況を絶賛した。近年の五輪招致熱の冷え込みに歯止めをかけるため、IOCは開催都市の負担を軽減し、実施競技の選定にも柔軟性を持たせるなど五輪改革の真っただ中。100年以上の歴史を持つ五輪が、次の100年に向けてどのような役割を果たすべきなのか。IOCのトップが大いに語った。(聞き手・時事通信ロンドン特派員 長谷部良太)
◇ ◇ ◇
―東京五輪開催が1年後に迫った。日本で開催される五輪に期待することは。
「東京五輪は史上最も若々しく、都会的で、女性を重視した五輪になるだろう。(人工知能などの最先端技術を通じた)「第4次産業革命」後の初めての五輪になる。日本は豊かな文化や歴史に加え、将来へのダイナミックなビジョンとともに、近代的かつ持続可能性に満ちた大会を開催するだろう」
―2013年に東京五輪開催が決まって以降、招致不正疑惑や開催費、会場計画などの問題点が指摘されてきた。IOC会長として、これまでの準備をどう評価するか。
「東京五輪の準備は本当に素晴らしい。私の個人的な経験から言うと、開催が1年後に迫る中でこれほど準備ができた大会は見たことがない。大会組織委員会の素晴らしい仕事ぶりや、五輪改革についてIOCが取り組んできたことを評価する日本の方々の興奮ぶりに、われわれは大いに励まされている」
―東京五輪は大会中の暑さが懸念されている。十分な対策ができていると考えるか。
「準備はまだ進行中であり、IOCの専門家らとも緊密に作業している組織委のノウハウには自信を持っている。計画は非常に健全で、現在は各競技のテスト大会が行われている。五輪に参加する選手や観客を含む全ての人のために、あらゆることが行われていると確信している」
新着
会員限定