結婚後の受診でいきなり「人工肛門になるかも」と言われて【Dr.純子のメディカルサロン】

◇自分がしたいことで人が喜んでくれる

 海原 その模型作りの技術は、今に生きてますね。ユーチューブで配信している「英語発音チューニング体操」の中でアメリカ英語に必要な口の開き方や、舌の動きを模型で解説してますよね。

 あの英語発音講座は、これまでの英語の発音講座と全く違うアプローチですね。舌や顎のリラックスから始まる体操をしながら発音するという画期的な講座です。

 2018年8月にスタート。毎朝6時半からですが、なぜ、朝の6時半なんですか。

 中島 ラジオ体操って、夏休みの朝6時半ですよね。8月1日スタートだから、朝にしようかな、と。体のこともあり、早起きの方が体調がいいかも、と朝5時15分に起きるようにしてみました。

 自分の生活リズムのコントロールのために、早起きしようと思いました。自分の体調と、自分のできることを考えて。身体によくて、自分ができること、自分がしたいことで、しかも人が喜んでくれる。そのバランスを探して、うまくバランスが取れるものが見つかりました。

 海原 でも、そのバランスって、一度壁にぶつかり、壊れないと分からないものですよね。

 中島 そうそう。しかも、一度壊すくらいのエネルギーのある人でないと、見つからない、ということもありますよね。

 ◇人と比べないために情報遮断したことも

 海原 とはいえ、なぜ自分が、と思うことはありませんか。

 中島 ありますよ。でも、そこで立ち止まると、さらに悲しくなるので、そうならないために、人や手術前の自分と比べないようにしています。

 バークリーの同級生は、業界の第一線で仕事をしている人も多くて、そういう人と比べようとすると、つらくなると思います。だから、自分とだけ比べるんです。手術直後に出来なかったことが今はできる、というように。

 そうでないと、暗い方に引っ張られてしまう。でも、私は決して、いつも前向きじゃないです。いつも前向きにはなれないけど、地に足の着いた生き方をしたいと思っています。

 海原 人と比べることで落ち込む人はすごく多いんですが、ユリ流の人と比べないためのいい方法はありますか。

 中島 私の場合は、2年間フェイスブックを一切しないという時期がありました。情報遮断というのも一つの方法ですね。ただ最近、ユーチューブで発音講座を配信していると、「こんな翻訳してくれない」とか、頼まれることも増えて、人との関わりもいい感じで増えましたね。

 取材後記:英語の発音がビジネスの場でも重要視されつつある中、ネイティブイングリッシュの本の企画もお持ちのユリさんの活動が広がりそうです。ストーマがあることを隠すつもりはない、でも、そういう人というレッテルで仕事をしたくない、という気持ちは非常によく分かります。暗くはならない。でも、無理に前向きになることもないという生き方。人とは比較せず、自分とだけ向き合い、自分ができることをし、人も喜ぶ生き方を見つけた、そのエネルギーに共感した取材でした。(海原純子)

 

 中島 小百合(なかじま・さゆり)

 アメリカ英語発音トレーナー。学習院大学文学部哲学科(東洋思想史専攻)を卒業後、23歳で渡米。バークリー音楽大学ボーカルパフォーマンス学科卒業。2003年から3年半の米国滞在でTOEIC970点、英検1級の英語力を取得。音楽出版社での専門書翻訳、専門学校ボーカル講師などを経て、ボーカリストのためのアメリカ英語発音指導法を開発。えいご発音塾「こまば音庵(おんあん)」にて俳優、歌手、ビジネスエグゼクティブ向けのパーソナルレッスンを行っている。

 (医療情報サイト「時事メディカル」より) 〔2019年8月配信〕

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