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視線の先に海自艦、同盟の拠点 米軍横須賀基地

「日本の中の米国」を行く

 油のにおいが混ざった潮風がただよう在日米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)。バスに乗って小さなトンネルを抜けると、米海軍第7艦隊が誇る原子力空母「ロナルド・レーガン」の巨体が迫ってきた。道を行くのは迷彩服に身を包んだ軍人。施設内の壁にはトランプ大統領の写真が飾られている―。

 基地視察ツアーに参加する機会を得た記者が「日本の中の米国」、横須賀基地内の様子を報告する。(外信部 山越綾乃)

病院、映画館、ジム…さながら一つの「町」
 記者らを乗せたバスは国道16号を左折し、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた掲示板を横切り、基地の入り口で止まった。警備員がバスに乗車し、記者各自が持参したパスポートと見比べながら1人ずつ身分を確認。全員分の確認が取れたところで門の通過を許された。

 基地内には道路が張り巡らされているが、米国本土とは違い、自動車は日本式の左側通行。東京ドーム約50個分の敷地内には、団地のほか、学校に病院、ジム、スーパー、映画館まで一通りの施設がそろう。まるで米国の町がそのまま日本に移転してきたようだ。

 最初に記者を出迎えてくれたのは、そんな町の「町長」に当たる基地司令官、ジェフリー・キム海軍大佐。「横須賀のある三浦半島は1853年にペリーが来航した日米関係の始まりの場所。歴史あるこの場所で働けることは光栄だ」と笑みを浮かべた。

 横須賀基地は、米国外の海軍基地としては最大規模。基地内で働く日本人約5000人や駐留米兵の家族を含めると、総勢約2万7000人に上るという。

 兵士の中には、海外赴任未経験者や10代の若者も多い。そのため、キム大佐は、日本の防衛省などに派遣されたこともある自身の経験を元に、毎週、新規赴任者に日本で過ごす心構えを説いている。

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