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鈴木桂治氏、棟田康幸氏が対談 日本柔道男子重量級、覇権奪い返せるか

重責背負う全日本王者

 来年の東京五輪で金メダル量産が期待される日本柔道。世界で苦戦続きの男子重量級は8月からの世界選手権(日本武道館)も控え、地元の大舞台で覇権奪還を目指す。同学年の親友で、ライバル関係にもあった2004年アテネ五輪100キロ超級金メダリストの鈴木桂治氏と、03年の世界選手権同級王者の棟田康幸氏に現役選手への期待や展望を語ってもらった。

◇ ◇ ◇

 毎年4月29日に体重無差別で日本一の座を争う全日本選手権。五輪、世界選手権と合わせて「3冠」と称される。伝統の大会で鈴木氏は優勝4度。棟田氏は準優勝3度で、15度出場は史上最多だ。

 鈴木 当時は康くんもそうだし、強い重量級の選手がたくさんいた。日本一を決める大会。覚悟し、ただ勝つことだけを重要視していたと思う
 棟田 日本で一番強い男を決める全日本はやはり特別。桂治とも何度も戦い、あの頃は世界で勝つよりも難しかった

 今年は17年の100キロ級世界王者、ウルフ・アロン(了徳寺大職)が初優勝。かつては両氏と同世代で、00年シドニー五輪同級金メダリストの井上康生氏(現日本男子監督)が3連覇した。

 鈴木 改めて100キロ級は強いなと。100キロ超級が勝たなかったことをいろいろ言われるが、僕らの頃に超級がふがいないとは思わなかった
 棟田 桂治と井上選手が優勝し、100キロ級が強い時代。心から柔道家としても認めていた
 鈴木 ウルフは型にはまらないところがいいね。相手は立てた作戦に対し、違う形で返ってくると思うのではないのかな
 棟田 桂治の言う通り。型にはめるような柔道をしたら、今回は負けていたかもしれない
 鈴木 すごく元気で、ウルフらしさが出ていた
 棟田 彼には今後どの試合でも負けてほしくない。それが全日本王者の意味するところだよ

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