博多伝統の夏祭り「博多祇園山笠」のフィナーレを飾る「追い山」が始まった。山笠を担いだ男たちが勇ましく櫛田神社(福岡市博多区)になだれ込む。初めて境内の中で「櫛田入り」を見た。「山」は境内をぐるっと回り、舁(か)き手(=担ぎ手)はいったん立ち止まる。やがて観客と共に「博多祝い唄」(祝いめでた)の大合唱。再び「山」は動き、博多の街を疾走した。動画と共に「追い山」の情景を報告する。(福岡支社・村田純一、写真=千葉原航平、山田亮太朗)
カメラマンとして
昨年7月15日、30年ぶりに沿道で「追い山」を見た。その時の感動は「博多祇園山笠を追う」と題し掲載した。
1年前も櫛田神社の周囲は午前4時前から沿道に多数の観客が詰めかけ、近づけなかった。何重もの人垣の後ろから、駆け出す山車の上部だけを見て、「祝いめでた」の歌を神社の外から聞いた。櫛田神社の周囲や街中を走る「山」を見て、それなりに感動し、満足したが、やはり「櫛田神社の中で見たい」との思いは強く残った。櫛田神社の「清道回り」を間近で見て、「祝いめでた」の大合唱の渦の中で一緒に歌いたいと思ったのだ。
あれから1年。今夏の境内の桟敷券は6月26日朝の発売後、約15分で完売した。地元の新聞でそれを知り、買いそびれたと悔やんでも、まさに「後の祭り」だと思った。
がっかりしていたら、あっさり櫛田神社の桟敷席近くで見ることが可能になった。報道カメラマンの一人としてなら境内に入れるというのである。櫛田神社での追い山取材のカメラマン席は各社二人まで登録可能。二人目のカメラマンとして、山笠の撮影が許可されるのであれば、これは是が非でも行くしかない。
新聞・通信社のカメラマン席は櫛田神社入り口から入って境内右側の地上の一角と、左側の高台にあり、ほとんどのカメラマンは右側の位置で脚立に乗って撮影するという。左側の高台は場所が狭く、例年あまり人気がなくて「すいている」ということだった。なぜ、人気がないかは後で分かるのだが…。一方、テレビカメラマン席は別の好位置に用意されていた。
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