女優の浜辺美波さんが映画「アルキメデスの大戦」(東宝系で公開)で、太平洋戦争前夜の時代、戦艦大和の建造を止めようとする主人公の天才数学者を慕い、救いの手を差し伸べる財閥令嬢・尾崎鏡子役を演じた。
大ヒットした「キミスイ」では不治の病に侵された可憐(かれん)な少女。そのイメージを打破するコメディエンヌや女子高生ギャンブラー役にも挑み、軽やかに演技の幅を広げてきた18歳は、今度はどんな色に染まっているのか。
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映画「君の膵臓をたべたい」の時に、たくさんの方に見ていただいたからこそなんですけれど、病人のようなイメージが付いて、体の弱い役が続いた時期があって。
でも、「センセイ君主」や「賭ケグルイ」みたいに、真逆な役、違う役にも、若いうちだからこそ挑戦していこうと思ってやってきました。
価値観とか、何か起こったときの感じ方は人それぞれ。同じ「うれしい」でも、感じる量も感じ方も違う。俳優として、そういうことを感じられるのが面白いと最近感じていて、その違いを大切にしたいなと思っています。
無鉄砲で必死に主人公助ける鏡子
今回の「アルキメデスの大戦」は、出演者の中で自分だけ特に若くて、緊張もしました。迷ったり、悩んだりすることも多かったんですけど、今は演じることを楽しめているので、いいなと思います。
今より性別の役割がある時代の話で、女性がほとんど出てこないので、この作品における女性としての役割を果たすことは意識しました。お嬢さまのイメージはけっこう想像して、髪形や衣装に助けられた部分もあるんですけれど、立ち方だったり、ちょっと危なっかしい感じだったり、監督の指示も頂きながらつくり上げました。
鏡子は、この時代にしては、思い切りのいい女性。若いお嬢さまだからこその「知らない強さ」があって。菅田将暉さん演じる天才数学者の櫂さん(鏡子の元家庭教師・櫂直)を助ける役割でも、その感じが出せたらと思いました。
山崎貴監督からは「お嬢さまの無鉄砲、世間知らずだけれど必死という感じを出してほしい」と。「先生」と呼ぶせりふが多いんですけれど、どの「先生」にも、その時の思いを乗せてほしい、このせりふで先生が思いとどまったりするから頑張ってほしい、と言われました。
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