陸上の男子短距離に20歳のニューヒーローが誕生した。2019年6月7日に米テキサス州オースティンで行われた全米大学選手権の男子100メートル決勝。サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)が追い風0.8メートルの条件下、9秒97の日本新記録を樹立して3位に入った。桐生祥秀(日本生命)が東洋大時代の17年9月、日本選手で初めて10秒の壁を破った9秒98の日本記録を0秒01更新した。
5日の準決勝で追い風2.4メートルの参考記録ながら9秒96を出していたサニブラウン。5月11日には公認タイムで日本選手2人目の9秒台となる9秒99(追い風1.8メートル)をマークしており、昇り龍の勢いで快記録を刻み、1カ月以内に9秒台を連発した。
7日は100メートル決勝の前後に400メートルリレー決勝、200メートル決勝にも出場し、リレーは優勝、200メートルは日本歴代2位の20秒08で3位。1時間半ほどの間に3レースをこなした。さらなる高みを目指す若きスプリンターがレース直後、報道陣に思いを語った。(構成・写真 時事通信ロサンゼルス特派員 安岡朋彦)
―100メートルで日本新記録を出した。
正直あまり実感はない。今後もまだ速いタイムが出ると思っているので、その都度更新していければと思っている。
―走り終わった後は悔しそうだった。
もうちょっと速く走れたかなと思っていた。
―日本一のスプリンターになった。
うれしいが、日本選手権があるので(世界選手権出場を)しっかり決めて喜べれば。世界選手権もあるので、そこを終わって一段落かなという感じ。
―レースを振り返って。
スタートから60メートルぐらいまでは良かったが、そこからストライドが伸びて、ちょっと長くなってしまったところがあった。そこをしっかりまとめていけていればもうちょっといいタイムが出たのかなと思う。その課題が分かったので、今後に向けてまた練習して、日本選手権、世界選手権に備えていければ。
新着
会員限定