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ロンドンにメジャーリーグがやって来る 欧州初開催、ヤンキース田中が登板へ

一般席は「30分で完売」

 欧州で初めて米大リーグの公式戦が開催される。6月29、30の両日にロンドンで行われるレッドソックス―ヤンキース。2012年ロンドン五輪のメイン会場となったロンドン・スタジアムが舞台だ。大リーグ屈指の人気球団でア・リーグ東地区に所属する宿敵同士が、歴史的な一戦となる伝統の対決で火花を散らす。この対戦は「ロンドン・シリーズ」と銘打たれ、市場拡大を狙う大リーグ機構(MLB)にとっても歴史に残る2日間と言える。その初戦、ヤンキースは田中将大投手が先発する。(時事通信ロンドン特派員 長谷部良太)

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 ロンドン・スタジアムは15年にラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会の3位決定戦が行われ、17年には陸上男子100メートルの世界記録保持者、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が現役最後の舞台に選んだ世界選手権も開催された大型施設。普段はサッカーのイングランド・プレミアリーグ、ウェストハムが本拠地を置く。今回は仮設で野球仕様に改修され、ボールパークに生まれ変わる。

 公式戦の欧州初開催はレッドソックスとプレミアリーグ、リバプールのオーナーを務めるジョン・ヘンリー氏(米国)の手腕によるところが大きい。ホストチームはレッドソックスが務めるが、ヤンキースもピンストライプのホーム用ユニホームを着用する予定だ。

 スタジアムの収容人数は5万7500人ほど。昨年12月にチケットが販売されると、「一般席は30分ほどで売り切れた」(MLBの担当責任者)という。転売サイトでは一時、元値の10倍以上で取引されるなど、人気が過熱したこともあった。

記念のマウンドで快投するか

 注目されていたヤンキースの先発投手は田中に決まった。先発ローテーションを踏まえた起用となる。田中は以前、大リーグの欧州開催について「初めてのことなので、ピンとこない」と言いながらも、登板そのものに関しては「長い歴史の中でもそうあることではないし、すごく幸せなこと」と意欲を示していた。メモリアルとなるマウンドで快投を見せられるか。

 MLBは以前から世界的な普及活動に励んでおり、北米以外では日本、メキシコ、オーストラリア、プエルトリコで公式戦を開催してきた。今年3月、東京ドームで行われたマリナーズ―アスレチックスの開幕2連戦で、引退するマリナーズのイチロー外野手をファンが総立ちでねぎらった場面は記憶に新しい。

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