会員限定記事会員限定記事

強化担当に聞く 2020

◆卓球◆左ペアの弱点を強みに

 卓球は1月6日に五輪代表が発表された。男子はシングルスが張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)で、団体戦はこの2人と4度目の五輪となる水谷隼(木下グループ)で戦う。前回リオ大会で日本は団体戦銀メダル。2大会連続で指揮を執る倉嶋洋介監督は「終わってから毎日のように東京のことを考えていた。前回を上回る結果を残さないと」と頂点を見据える。

 団体戦のカギは、5戦の中で最初の実施に変更されたダブルス。これを取ればその後のシングルスに弾みがつくだけに比重は大きい。日本男子は3人のうち2人が左利き。右でエースの張本がシングルスを2度戦うオーダーにすれば、ダブルスは水谷、丹羽のサウスポー同士で組むことになる。

 一般的に左同士のペアは動きの面で不利とされる。だが倉嶋氏は「弱点と思われるところを武器にしたい。そうできれば中国や他のライバルに対しても勝つチャンスは出てくる」と強化ポイントに挙げる。

 リオの個人戦でシングルス銅の水谷によれば、左同士はラリーでは不利でもレシーブで優位に立てる。丹羽も経験は豊富なだけに、本番まで試行錯誤を重ねればマッチする可能性はある。「どうやって今のスタイルで左、左がマッチするのかを徹底して突き止めたい」(倉嶋氏)。左のペアは世界でもまれ。機能すれば相手は対策が難しいというメリットもある。

 本番ではチームの一体感も重要だ。混合ダブルスは水谷と女子のエース伊藤美誠(スターツ)のペアで臨むことが、予定よりも前倒しで決まった。「最初(の実施)がミックスなので、そこでメダルを取ってシングルス、団体につなげたいのも頭にあった」(倉嶋氏)。個々の強化に加え、女子とも一丸となり、全種目で最高の成績を目指す。

◇ ◇ ◇

 倉嶋洋介(くらしま・ようすけ)明大出。全日本選手権は男子複で3度、混合複で1度の優勝。2012年から代表監督。43歳。東京都出身。(2020年2月23日配信)

◆特設◆東京五輪・パラリンピック2020
◆週刊オリパラ2020◆

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ