東京五輪の新競技として採用されるスケートボードは、日本勢のメダル量産が望める。昨年9月の世界選手権では金1、銀2、銅1と四つのメダルを獲得した。「東京でやるからには表彰台の真ん中に日の丸を掲げたい」。日本代表の西川隆監督は頂点を見据える。
五輪では男女とも、街中の手すりや階段などを模したコースで行われるストリートと、くぼ地状の複雑なコースで技を繰り出すパークを実施。全種目で開催国枠一つが保証されている。今年5月の世界選手権メダリストと世界ランキング上位者に出場資格が与えられ、日本勢も各種目最大3人の出場を目指す。
西川氏が「複数人で表彰台に上がりたい」と意気込むのが、女子のパークと男子ストリート。女子パークは世界選手権覇者で13歳の岡本碧優、同2位の四十住さくらが金メダル候補に挙がり、男子ストリートも堀米雄斗、白井空良が世界トップ級の実力を誇る。
唯一、苦戦している種目が男子パーク。西川氏は「国際大会の経験が少なくて自信が足りない」と指摘する。スノーボード・ハーフパイプで冬季五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢らに伸びしろを感じ、「技の構成をもうひと工夫できれば。可能性はすごくある」。巻き返しに期待している。
代表合宿などは行わず強化は各自に任せており、スタッフは選手と連絡を取り合って現状や課題の把握に努めている。西川氏は「五輪に出たいと言う子が増えてきたし、国を背負う自覚も出てきた」と意識の変化を語り、「米国、ブラジル、日本が3強。期待してもらってもいい」。今夏、東京でブームを巻き起こすつもりでいる。
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西川 隆(にしかわ・たかし)東京・秋川高卒。中学2年からスケートボードに親しむ。16年から日本代表監督。ムラサキスポーツ勤務。54歳。北海道出身。(2020年2月9日配信)
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