アーティスティックスイミング(AS)の日本代表は既にメンバーが決定。昨年7月の世界選手権は五輪実施種目でことごとく4位に終わり、目の色を変えて東京でのメダル獲得へ向けた練習に取り組んでいる。「世界の中の位置付けは、世界選手権の結果そのまま。現時点では銅メダルが目標」。日本水泳連盟の本間三和子AS委員長は十分な可能性を感じている。
チーム、デュエットともに世界選手権でロシア、中国に続く3位だったウクライナが日本のターゲット。「射程距離に入ると思う」。採点競技のASでは前年の世界選手権の印象が大きく影響するが、自国開催の五輪で会場を盛り上げるような演技を高い完成度で見せられれば、得点は伸びると踏んでいる。
「シンクロナイズドスイミング」の名で初めて正式種目として行われた1984年ロサンゼルス五輪以降、毎回メダルを取っていた日本が、2012年ロンドン大会で表彰台を逃した。前回16年リオデジャネイロ五輪ではデュエットとチームで2個の銅メダルを奪還。復活した日本が東京で表彰台を逃すわけにはいかない。
10代の選手もおり、「実戦経験が少ないので、五輪まで三つほど国際大会に出ていく予定」。審判に対して日本の演技の質をアピールすることも重要になってくる。
優勝候補のロシアがドーピング問題で揺れる影響について、「ロシアが欠場して順位が上がっても価値はない。五輪の場で世界トップと競うことに意義がある」と本間委員長。日本ができる最高の演技をすることだけに集中している。
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本間三和子(ほんま・みわこ) 筑波大大学院卒。筑波大教授。82年世界選手権のソロとチーム、84年ロサンゼルス五輪のソロとデュエットでいずれも銅メダル。09年に日本水泳連盟シンクロ(現AS)委員長に就任。59歳。大阪府出身。(2020年1月19日配信)
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