前回リオデジャネイロ五輪で、ゴルフは112年ぶりに正式競技に復活した。来年6月の世界ランキングを基に決まる東京五輪の代表選手を、米ツアーで活躍した丸山茂樹ヘッドコーチが後方支援する。元トッププロとして、調整は選手に任せる姿勢。「ゴルフは波のあるスポーツ。夏まで好調を維持して、良い状態のまま五輪を迎えてほしい」と願っている。
東京五輪代表は原則として男女各2人までだが、世界ランキングで15位以内に入れば最大4人が出場できる。男子の代表争いは、米ツアーを回る松山英樹と日本ツアー2年連続賞金王の今平周吾が大きくリード。女子は米国が主戦場の畑岡奈紗、全英女子オープン覇者の渋野日向子がトップ15に入り、日本ツアー賞金女王の鈴木愛が猛追。3人が代表入りする可能性が出てきた。
これまでの日本選手の活躍を「絵に描いた通りの状態」と喜ぶ。中でも松山については、正確なショットと精神力の強さを高く評価。日本で初開催された米ツアーのZOZOチャンピオンシップで2位に入ったことに触れ、「普通のゴルフさえすれば、間違いなくメダルを手にできると思う」と太鼓判を押す。
女子は今年6月に服部道子さんがコーチに就任。支援態勢は整ったが、「余計なことを言わないのが鉄則」と選手の自主性に任せる姿勢を強調する。その上で質問は歓迎し、「投げられた球は即座に返す準備はしておきたい」と気を引き締める。
五輪会場の埼玉・霞ケ関CCでは毎年8月に日本ジュニア選手権が行われ、懸念される暑さの下のラウンドを日本選手は経験済みだ。「日常生活と変わらない環境は、どの国の選手よりもアドバンテージがある」とも。丸山氏は複数のメダルを獲得するチャンスはあるとみている。(世界ランキングは12月21日現在)
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丸山茂樹(まるやま・しげき)日大から92年にプロ転向し、日本ツアー通算10勝。00年から参戦した米ツアーでは、日本男子として青木功以来2人目の優勝を果たすなど3勝を挙げた。16年リオ五輪からヘッドコーチを務める。50歳。千葉県出身。(2019年12月22日配信)
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