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強化担当に聞く 2020

◆サーフィン◆着実に力つける日本勢

 五輪初実施のサーフィン。日本連盟は2017年に南アフリカ出身のウェイド・シャープ氏をコーチに招いて着実に力をつけてきた。実績のなかったコスタリカを国際大会優勝に導いた手腕に着目しての起用。強化担当の宗像富次郎副理事長は「技術的な指導をしてもらい、その成果が出ている」と手応えを口にする。

 五十嵐カノア(木下グループ)が世界最高峰のチャンピオンシップ・ツアー(CT)で優勝するなど、メダルに最も近い存在。9月に行われた世界選手権相当のワールドゲームズ(WG)では、海外の強豪がそろった中、男子で村上舜が4位に入った。「他国のサーファーに手ごわいという印象を与えられたと思う」(宗像氏)。五輪前哨戦で、日本は五十嵐だけではないことを示した。

 女子は五輪での目標が「入賞」。男子の金メダルに対してやや控えめにも見えるが、ジュニア世代が多く、伸びしろは大きい。今年のWGでアジア最高の15位だった松田詩野が17歳、9月に国際大会で優勝した都筑有夢路が18歳。男子に比べて大きな大会に出るハードルが低い点を生かし、積極的な海外遠征で若い世代が台頭している。

 横のつながりを生かしてメンタル強化も図る。9月のWGの際、競泳メダリストの松田丈志さんから五輪への心構えなどを聞く機会を設けた。今後も五輪出場者が固まってくれば、他競技のメダリストらから体験談を聞いて本番に備える計画だ。

 会場の千葉・釣ケ崎海岸の波は海外に比べて小さく、日本選手に向いている地の利もある。「サーフィンは初めての競技で、どの国の選手もそれは同じ。地の利と他競技からの情報を得て自分のものにしておけば違う」。宗像氏は本番の好成績を見据えている。

◇ ◇ ◇

 宗像富次郎(むなかた・とみじろう)18歳の時にサーフィンを始め、全日本選手権には10度以上出場。17年にナショナルコーチに就任。現在は副理事長と強化担当を務める。58歳。神奈川県在住。(2019年10月20日配信)

◆特設◆東京五輪・パラリンピック2020
◆週刊オリパラ2020◆

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