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強化担当に聞く 2020

◆重量挙げ◆1000日プラン、たゆまず強化

 これまで五輪で14個のメダルを獲得した日本の重量挙げ。女子で三宅宏実(いちご)が2016年リオデジャネイロ五輪で2大会連続表彰台に立ったのに対し、男子は1984年ロサンゼルス五輪を最後に遠ざかる。男子監督を兼務する日本ウエイトリフティング協会の小宮山哲雄選手強化本部長は「東京では女子と一緒に男子もメダルを」と意気込む。

 リオ五輪後にいち早く強化体制を整えた。五輪閉幕翌月の9月から、合宿や海外遠征といったナショナルチームの活動を毎月2~3週間実施。年間約250日の強化計画を4年間継続させる方針で、「1000日プランとして打ち出してやっている」。選手にとっては味の素ナショナルトレーニングセンターの最新設備を継続的に利用できるのが大きな利点。ただ、小宮山氏はそれ以外の効果があると見ている。

 東京五輪の出場枠は、男女ともに7階級に対して3か4。自分の階級で国内トップになっても、他の階級の選手と比べて世界での序列が低ければ出場できない。階級は違ってもライバル同士という関係が、練習に緊張感を生んでいる。「ナショナルの選手が競い合うのは大きい。意識が違う」。リオ五輪で4位に入った61キロ級の糸数陽一(警視庁)を筆頭に、67キロ級の近内三孝(日大職)、73キロ級の宮本昌典(東京国際大職)らが力を伸ばしてきた。

 ドーピング検査が厳格化し、よりフェアな条件で戦えるようになったのも日本にとっては追い風。まずは五輪前哨戦として9月にタイのパタヤで行われる世界選手権で躍進を目指す。「来年の五輪を占う大事な戦い。表彰台に上りたい」。小宮山氏は意気込む。

◇ ◇ ◇

 小宮山哲雄(こみやま・てつお)日大卒。選手時代は男子100キロ級の選手で元日本記録保持者。2007年に選手強化本部長に就任し、翌年に一度退任。15年から再登板。山梨県出身。58歳。(2019年9月1日配信)

◆特設◆東京五輪・パラリンピック2020
◆週刊オリパラ2020◆

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